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第31章 第三の課題 The Third Task(16)
日期:2023-05-15 10:59  点击:298

左の道もガランとしていた。ハリーは右折する道を見つけて曲がった。ここも何の障害物もない。しかし、何も障害がないことが、なぜか、かえって不安な気持にさせた。これまでに絶対何かに出会っているはずではないのか? 迷路が、まやかしの安心感でハリーを誘い込もうとしているかのようだ。そのとき、ハリーはすぐ後ろで何かが動く気配を感じ、杖を突き出し、攻撃の態たい勢せいを取った。しかし、杖つえ灯あかりの先にいたのは、セドリックだった。右側の道から急いで現れたところだった。ひどくショックを受けている様子で、ローブの袖そでが燻くすぶっている。

「ハグリッドの『尻しっ尾ぽ爆ばく発はつスクリュート』だ!」セドリックが歯を食いしばって言った。「ものすごい大きさだ――やっと振り切った!」

セドリックは頭を振り、たちまち別の道へと飛び込んで姿を消した。スクリュートとの距離を十分に取らなければと、ハリーは再び急いだ。そして、角を曲がったとたん、目に入ったのは――。

吸きゅう魂こん鬼きがスルスルと近づいてくる。身の丈たけ四メートル、顔はフードで隠れ、腐ったかさぶただらけの両手を伸ばし、見えない目で、ハリーのほうを探るような手つきで近づいてくる。ゴロゴロと末まつ期ごの息のような息いき遣づかいが聞こえる。じとっと冷汗が流れる気持の悪さがハリーを襲おそった。しかし、どうすればよいか、ハリーにはわかっていた……。

ハリーはできるだけ幸福な瞬間しゅんかんを思い浮かべた。迷めい路ろから抜け出し、ロンやハーマイオニーと喜び合っている自分の姿に全神経を集中した。そして杖つえを上げ、叫さけんだ。

「エクスペクト・パトローナム! 守しゅ護ご霊れいよ来たれ!」

銀色の牡お鹿じかがハリーの杖先から噴き出し、吸魂鬼めがけて駆かけていった。吸魂鬼は後あと退ずさりし、ローブの裾すそを踏ふんづけてよろめいた……ハリーは吸魂鬼が転びかける姿を初めて見た。

「待て!」銀の守護霊のあとから前進しながら、ハリーが叫んだ。「おまえはまボねガ妖ー怪トだ! リディクラスばかばかしい!」

ポンと大きな音がして、形けい態たい模も写しゃをする妖よう怪かいは爆発し、あとには霞かすみが残った。銀色の牡鹿も霞んで見えなくなった。一いっ緒しょにいてほしかった……道連れができたのに……。しかし、ハリーは進んだ。できるだけ早く、静かに、耳を澄すませ、再び杖を高く掲かかげて進んだ。


前面的路上还是空荡荡的,到了一个右转弯,哈利拐了进去,还是没有障碍。哈利不知道为什么会这样,如此畅通无阻使他有些发慌。现在应该碰到一些什么了呀。这迷宫好像在用安全的假相诱惑着他。突然,他听到身后有了动静,连忙挥出魔杖准备自卫,可是魔杖的光照出的却是急急忙忙从右面一条小路上跑出来的塞德里克。他神色仓皇,衣袖上冒着烟。
“海格的炸尾螺!”他嘶声叫道,“大极了——我好不容易才逃出来!”
塞德里克摇摇头,冲进了别一条路,一心想把炸尾螺甩远一点儿。哈利又加快了脚步。一转弯,他看见了……一个摄魂怪缓缓朝他走来,十二英尺高,兜帽遮着面孔,腐烂结痂的双手直直地伸着。它一步步逼近,凭着感觉朝他摸过来。哈利能听到它喉咙里咯咯的喘息声。一种冰冷黏滑的感觉袭上他的全身,但他知道应该怎么做……
他竭力去想最愉快的事情,拼命集中精力想象着走出迷宫、同罗恩和赫敏一起庆祝的情景,一边举起魔杖喊道:“呼神护卫!”
一头银色的公鹿从哈利的魔杖中蹦出来,向摄魂怪奔去。摄魂怪倒退两步,被它的长袍绊倒了……哈利还从未见过摄魂怪跌跤呢。
“不许动!”他跟着银色的守护神前进,“你是个博格特!滑稽滑稽!”
一声爆响,炸出一楼青烟。银鹿消失不见了。哈利倒希望它能留下来,给他做个伴……他还是继续前进,尽可能走得又快又不发出声响,依旧是高举魔杖,警惕地听着四下里的动静。

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