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第35章 真実薬ベリタセラム Veritaserum(10)
日期:2023-05-16 15:21  点击:362

竪たて穴あなのような、地下室のようなものが見下ろせた。三メートルほど下の床に横たわり、深々と眠っている、痩やせ衰おとろえ飢うえた姿。それが本物のマッド‐アイ・ムーディだった。木の義ぎ足そくはなく、「魔法の目」が入っているはずの眼がん窩かは、閉じた瞼まぶたの下で空からっぽのようだった。白はく髪はつ混まじりの髪かみの一部がなくなっていた。ハリーは雷に打たれたかのように、トランクの中で眠るムーディと、気を失って床に転がっているムーディをまじまじと見比べた。

ダンブルドアはトランクの縁ふちを跨またぎ、中に降りていき、眠っているムーディの傍かたわらの床に軽々と着地し、ムーディの上に身を屈めた。

「『失しっ神しん術じゅつ』じゃ――『服従ふくじゅうの呪じゅ文もん』で従わされておるな――非常に弱っておる」ダンブルドアが言った。「もちろん、ムーディを生かしておく必要があったじゃろう。ハリー、そのペテン師のマントを投げてよこすのじゃ。ムーディは凍こごえておる。マダム・ポンフリーに診みてもらわねば。しかし急を要するほどではなさそうじゃ」

ハリーは言われたとおりにした。ダンブルドアはムーディにマントをかけ、端はしを折り込んで包くるみ、再びトランクを跨いで出てきた。それから机の上に立てておいた携けい帯たい用よう酒さか瓶びんを取り、蓋ふたを開けてひっくり返した。床にネバネバした濃厚な液体がこぼれ落ちた。

「ポリジュース薬やくじゃ、ハリー」ダンブルドアが言った。「単純でしかも見事な手口じゃ。ムーディは、決して、自分の携けい帯たい用よう酒さか瓶びんからでないと飲まなかった。そのことはよく知られていた。このペテン師は、当然のことじゃが、ポリジュース薬やくを作り続けるのに本物のムーディをそばに置く必要があった。ムーディの髪かみをご覧……」

ダンブルドアはトランクの中のムーディを見下ろした。

「ペテン師はこの一年間、ムーディの髪を切り取り続けた。髪が不ふ揃ぞろいになっているところが見えるか? しかし、偽にせムーディは、今夜は興こう奮ふんのあまり、これまでのように頻ひん繁ぱんに飲むのを忘れていた可能性がある……一時間ごとに……きっちり毎時間……いまにわかるじゃろう……」

ダンブルドアは机のところにあった椅子を引き、腰かけて、床のムーディをじっと見た。ハリーもじっと見た。何分間かの沈ちん黙もくが流れた……。


箱底竟然是一个大坑,像是一间地下室。约莫三米深的地板上躺着一个人,骨瘦如柴,仿佛睡着了。是真正的疯眼汉穆迪。他的木腿不见了,魔眼的眼皮下是空的,花白的头发少了好几撮。哈利望望箱底熟睡的穆迪,又望望办公室地上昏迷的穆迪,惊愕万分。
邓布利多爬进箱子里,轻轻落到熟睡的穆迪身旁,俯身看着他。
“被击昏了——中了夺魂咒——非常虚弱。”他说,“当然啦,他们需要让他活着。哈利,把假穆迪的斗篷扔下来——他冻坏了。需要把他交给庞强弗雷夫人,不过暂时还没有生命危险。”
哈利照办了。邓布利多把斗篷盖在穆迪身上,为他盖严实了,然后爬出箱子。他拿起放在桌上的弧形酒瓶,拧开盖子,把酒瓶倒过来,一股黏稠的液体洒在了办公室的地板上。
“复方汤剂,哈利,”邓布利多说,“你看这多么简单,多么巧妙。穆迪向来只用他随身带的弧形酒瓶喝酒,这是出了名的。当然,冒充者需要把真穆迪留在身边,以便不断地配制汤剂。你看他的头发……”邓布利多望着箱子里的穆迪说,“被人剪了一年,看到不整齐的地方了吗?但是我想,我们的假穆迪今晚也许兴奋过度,忘记按时喝药了……每小时喝一次……等着瞧吧。”
邓布利多拉出桌前的椅子,坐了下来,眼睛盯着地板上昏迷不醒的穆迪。哈利也盯着他。时间在沉默中一分一秒地过去。

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