ハリーは少し杖を下ろしたが、握にぎり締しめた手を緩ゆるめず、その場から動きもしなかった。疑うだけのちゃんとした理由があった。この九ヵ月もの間、ハリーがマッド‐アイ・ムーディだと思っていた人は、なんと、ムーディどころかペテン師しだった。そればかりか、化ばけの皮が剥はがれる前に、ハリーを殺そうとさえした。しかし、ハリーが次の行動を決めかねているうちに、二番目の、少しかすれた声が昇のぼってきた。
「大だい丈じょう夫ぶだよ、ハリー。私たちは君を迎むかえにきたんだ」
ハリーは心が躍おどった。もう一年以上聞いていなかったが、この声も知っている。
「ル、ルーピン先生」信じられない気持だった。「本当に」
「わたしたち、どうしてこんな暗いところに立ってるの」
第三番目の声がした。まったく知らない声、女性の声だ。
「ルーモス 光よ」
杖の先がパッと光り、魔法の灯ひがホールを照らし出した。ハリーは目を瞬しばたたいた。階段下に塊かたまった人たちが、一いっ斉せいにハリーを見上げていた。よく見ようと首を伸ばしている人もいる。
リーマス・ルーピンが一番手前にいた。まだそれほどの歳としではないのに、ルーピンはくたびれて、少し病気のような顔をしていた。ハリーが最後にルーピンに別れを告げたときより白髪しらがが増え、ローブは以前よりみすぼらしく、継つぎはぎだらけだった。それでも、ルーピンはハリーににっこり笑いかけていた。ハリーはショック状態だったが、笑い返そうと努力した。
哈利把魔杖稍微放低了一点,但仍然用手攥得紧紧的,脚下也没有动弹。他完全有理由心存怀疑。就在最近,他曾跟那个他以为是疯眼汉穆迪的人一起待了九个月,结果发现那根本就不是穆迪,而是一个冒名顶替的家伙,而且,那家伙在暴露身份前还想杀死他。哈利还没想好下一步该怎么做,这时第二个微微沙哑的声音从楼下飘了上来。
“没问题的,哈利。我们是来带你走的。”
哈利的心欢跳起来。这个声音也是他熟悉的,尽管已经有一年多没有听到了。
“卢一卢平教授?”他不敢相信地说。“是你吗?”
“我们于吗都摸黑站着?”第三个声音说话了,这次是一个完全陌生的声音,一个女人的声音,“荧光闪烁。”
一根魔杖头上突然有了亮光,魔光照亮了门厅。哈利眨了眨眼睛。下面的人都挤在楼梯口,抬头目不转睛地望着他,有几个人还使劲伸长了脖子,好把他看得更清楚一些。
莱姆斯卢平站得离他最近。卢平尽管年纪很轻,但显得十分疲惫,神色憔悴。他的白头发比哈利上次跟他分手时更多,身上的长袍也比以前多了几块补丁,更加破旧了。不过,他望着哈利时脸上绽开了灿烂的笑容。哈利呢,尽管心里吃惊得不行,也勉强对他笑着。