クリーチャーはご主人様直々じきじきの命令にはとても逆さからえないようだった。にもかかわらず、のろのろと足を引きずるようにしてシリウスのそばを通り過ぎるときに、ありったけの嫌けん悪お感かんを込めてシリウスを見た。そして、部屋を出るまでブツブツ言い続けた。
「――アズカバン帰りがクリーチャーに命令する。ああ、おかわいそうな奥様。いまのお屋敷の様子をご覧になったら、なんと仰せになることか。カスどもが住み、奥様のお宝を捨てて。奥様はこんなやつは自分の息子ではないと仰せられた。なのに、戻ってきた。その上、人殺ひとごろしだとみなが言う――」
「ブツブツ言い続けろ。本当に人殺しになってやるぞ」しもべ妖精を締しめ出し、バタンと扉とびらを閉めながら、シリウスがイライラと言った。
「シリウス、クリーチャーは気が変なのよ」ハーマイオニーが弁護べんごするように言った。「私たちには聞こえないと思っているのよ」
「あいつは長いこと独ひとりでいすぎた」シリウスが言った。「母の肖しょう像ぞう画がからの狂った命令を受け、独ひとり言ごとを言って。しかし、あいつは前からずっと、腐くさったいやな――」
「自由にしてあげさえすれば」ハーマイオニーが願いを込めて言った。「もしかしたら――」
「自由にはできない。騎き士し団だんのことを知りすぎている」シリウスはにべもなく言った。「それに、いずれにせよショック死してしまうだろう。君からあいつに、この家を出てはどうかと言ってみるがいい。あいつがそれをどう受け止めるか」
シリウスが壁のほうに歩いて行った。そこには、クリーチャーが守ろうとしていたタペストリーが壁かべ一いっ杯ぱいに掛かかっていた。ハリーも他の者もシリウスについて行った。
克利切似乎不敢违抗直接的命令,不过,当他拖着两只脚走出去时,他投给小天狼星的目光充满了刻骨铭心的憎恨,而且他走出房间时嘴里一直念念有词。
“——从阿兹卡班回来,倒对克利切指手画脚了,哦,我可怜的女主人。如果她看到房子变成这样,会说什么呢,卑鄙小人住了进来,她的宝贝被扔了出去,她发誓不认他这个儿子的,如今他又回来了,据说他还是个杀人犯——”
“你再念叨,我就真的要杀人啦!”小天狼星烦躁地说,对着小精灵把门重重地关上了。
“小天狼星,他的脑子不正常,”赫敏恳求道,“我想他并不知道我们能听见他的话。”
“他独自待的时间太长了,”小天狼星说,“从我母亲的肖像里接受了一些疯疯癫癫的命令,自己对自己说话,不过他以前就是一个可恶的小——”
“如果你放他自由呢,”赫敏抱有希望地说,“说不定——”
“我们不能放他自由,他对凤凰社的事情知道得太多了。”小天狼星粗暴地说,“而且,不管怎么说,那份惊吓也会要了他的命。你突然对他提出要他离开这个家,看看他会有什么反应。”
小天狼星走到房间那头,克利切千方百计要保护的那个挂毯覆盖着整面墙壁。哈利和其他人跟了过去。