バーテンが裏うらの部屋から出てきて、三人にじわりと近づいてきた。長い白髪はくはつに顎あごひげをぼうぼうと伸のばした、不ふ機き嫌げんな顔の爺じいさんだった。痩やせて背が高く、ハリーはなんとなく見覚えがあるような気がした。
「注文は」爺じいさんが唸うなるように聞いた。
「バタービール三本お願い」ハーマイオニーが言った。
爺さんはカウンターの下に手を入れ、埃ほこりをかぶった汚らしい瓶びんを三本引っ張り出し、カウンターにドンと置いた。
「六シックルだ」
「僕が払う」ハリーが銀貨ぎんかを渡しながら、急いで言った。
バーテンはハリーを眺ながめ回し、ほんの一いっ瞬しゅん傷きず痕あとに目を止めた。それから目を背そむけ、ハリーの銀貨を古臭ふるくさい木製のレジの上に置いた。木箱きばこの引き出しが自動的に開いて銀貨を受け入れた。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはバー・カウンターから一番離はなれたテーブルに引っ込み、腰掛こしかけてあたりを見回した。汚れた灰色の包帯ほうたい男は、カウンターを拳こぶしでコツコツ叩たたき、バーテンからまた煙を上げた飲み物を受け取った。
「あのさあ」カウンターのほうをうずうずと見ながらロンが呟つぶやいた。「ここなら何でも好きなものを注文できるぞ。あの爺さん、何でもおかまいなしに売ってくれるぜ。ファイア・ウィスキーって、僕、一度試ためしてみたかったんだ――」
「あなたは、監かん――督とく――生せいです」ハーマイオニーが唸った。
「あ」ロンの顔から笑いが消えた。「そうかあ……」
「それで、誰が僕たちに会いにくるって言ったっけ」ハリーはバタービールの錆さびついた蓋ふたを捻ねじってこじ開け、ぐいっと飲みながら聞いた。
「ほんの数人よ」ハーマイオニーは時計を確かめ、心配そうにドアのほうを見ながら、前と同じ答えを繰くり返した。
「みんなに、だいたいこの時間にここに来るように言っておいたんだけど。場所は知ってるはずだわ――あっ、ほら、いま来たかもよ」
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