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第31章 ふ・く・ろ・う O.W.L.s(20)_ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3337

「……国際魔法使い連盟の初代最高大魔法使いはピエール・ボナコーであるが、リヒテンシュタインの魔法社会は、その任命にんめいに異い議ぎを唱となえた。何な故ぜならば――」

ハリーの周り中で、誰も彼もが、慌あわてて巣穴すあなを掘ほるネズミのような音を立てて、羊よう皮ひ紙しに羽は根ねペンで書きつけていた。頭の後ろに太陽が当たって暑かった。ボナコーは何をしてリヒテンシュタインの魔法使いを怒らせたんだっけ トロールと関係があったような気がするけど……ハリーはまたぼーっとパーバティの髪を見つめた。「開かい心しん術じゅつ」が使えたら、パーバティの後頭部の窓を開いて、ピエール・ボナコーとリヒテンシュタインの不ふ和わの原因になったのはトロールの何だったのかが見られるのに……。

ハリーは目を閉じ、両手に顔を埋うずめた。瞼まぶたの裏うらの赤い火ほ照てりが、暗くひんやりとしてきた。ボナコーはトロール狩がりをやめさせ、トロールに権利を与えようとした……しかし、リヒテンシュタインはとくに狂きょう暴ぼうな山トロールの一族にてこずっていた……それだ。

ハリーは目を開けた。羊よう皮ひ紙しの輝かがやくような白さが目に滲しみて涙が出た。ゆっくりと、ハリーはトロールについて二行書き、そこまでの答えを読み返した。この答えでは情報も少ないし詳くわしくもない。しかし、ハーマイオニーの連れん盟めいに関するノートは何ページも何ページも続いていたはずだ。

ハリーはまた目を閉じた。ノートが見えるように、思い出せるように……連盟の第一回の会合かいごうはフランスで行われた。そうだ。でも、それはもう書いてしまった……。

小こ鬼おには出席しようとしたが、締しめ出された……それも、もう書いた……。

そして、リヒテンシュタインからは誰も出席しようとしなかった……。

考えるんだ。両手で顔を覆おおい、ハリーは自分自身に言い聞かせた。周囲で羽は根ねペンがカリカリと、果てしのない答えを書き続けている。正面の砂時計の砂がサラサラと落ちていく……。

ハリーはまたしても、神しん秘ぴ部ぶの冷たく暗い廊下ろうかを歩いていた。目的に向かうしっかりとした足取りで、時折ときおり走った。こんどこそ目的地に到達とうたつするのだ……いつものように、黒い扉とびらがパッと開いてハリーを入れた。ここは、たくさんの扉がある円形の部屋だ……。

石の床をまっすぐ横切り、二番目の扉を通り……壁かべにも床にも点々と灯あかりが踊おどり、そしてあの奇き妙みょうなコチコチという機械音。しかし、探求している時間はない。急がなければ……。

第三の扉までの最後の数歩は駆かけ足だった。この扉も、他の扉と同じくひとりでにパッと開いた……。

再びハリーは、大だい聖せい堂どうのような広い部屋にいた。棚たなが立ち並び、たくさんのガラスの球が置いてある……心臓がいまや激はげしく鼓動こどうしている……こんどこそ、そこに着く……九十七番に着いたとき、ハリーは左に曲がり、二列の棚たなの間の通路を急いだ……。

しかし、突き当たりの床に人影がある。黒い影が、手負いの獣けもののように蠢うごめいている……ハリーの胃が恐きょう怖ふで縮ちぢんだ……いや興こう奮ふんで……。

ハリーの口から声が出た。甲高かんだかい、冷たい、人間らしい思いやりのかけらもない声……。

「それを取れ。俺様おれさまのために……さあ、持ち上げるのだ……俺様は触ふれることができぬ……しかし、おまえにはできる……」


    ……国际巫师联合会的第一位会长是皮埃尔·波拿库德,但是列支敦士登魔法界对这个任命提出了质疑,因为——在哈利四周,羽毛笔正从羊皮纸上匆匆划过,就像正在急忙挖洞的老鼠。灼热的阳光照在他后脑勺上。波拿库德做了什么事情冒犯了列支敦士登的巫师们呢?哈利觉得是和巨怪有关的什么事情……他又在茫然地盯着帕瓦蒂的后脑勺。要是他能用摄神取念在她后脑勺打开一扇窗户,看看巨怪为什么引起了皮埃尔·波拿库德和列支敦士登之间的决裂……哈利闭上眼睛,两手捂在脸上,于是眼睑中炽热的红光渐渐暗淡清凉起来。渡拿库德试图阻止猎杀巨怪,给巨怪应有的权利……但是列支敦士登与一个特别邪恶残忍的山地巨怪部落有矛盾……就是这样。
    他睁开了眼睛;明亮的白色羊皮纸刺痛了他的双眼,刺得他想流泪。他慢慢写出两行关于巨怪的内容,然后通读了一遍已经写下的答案。好像还不是很丰富、详细,而且他能肯定,赫敏关于国际巫师联合会的笔记有很多页。
    他又闭上眼睛回忆起来,想看到那些笔记……国际巫师联合会首届会议是在法国召开的,对,他已经写过了……妖精们想出席会议,但是被赶走了……这个他也写过了……还有列支敦士登没人想来……快想啊,他用双手捂住脸告诉自己,这时候他周围的羽毛笔正在不断地写出答案,他前面沙漏中的沙子也正在慢慢地漏下去……他又一次走在那条阴冷、黑暗的神秘事务司走廊上,步子坚定、果断,偶尔会跑上几步,他终于下决心一定要到达自己的目的地……黑色大门像以往一样为他打开了,他来到那间有许多门的圆形屋子里……径直走过黑色的石头地板,穿过第二道门……几块光斑在墙上和地板上舞动着,还有奇怪的机器的滴答声,但是没时间看个究竟,他必须赶紧……他最后慢跑几步来到第三道门前,它也像其他的门一样打开了……他又一次置身于大小如同大教堂,摆满架子和玻璃球的屋子里……现在他的心跳得非常快……他这次就要到达那里了……他走到第97排架子时向左一转,顺着两排架子之间狭长的过道急匆匆地走去……可是在过道尽头的地板上有个身影,一个正在地板上挪动的身影,好像是一头受了伤的动物……哈利的胃害怕得收紧了……兴奋得收紧了……他自己的嘴巴冒出了声音,那是一种尖厉的、冷冰冰的声音,没有一点儿人类的善意……
    “为我拿到它……把它拿下来,快……我不能碰它……但是你可以……”

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