ハリーは、膝ひざが震ふるえ、声も震えている自分に気づいた。机に近づき、その上に腰掛こしかけ、なんとか自分を落ち着かせようとした。
「僕たち、どうやったらそこへ行けるかな」ハリーが聞いた。
一いっ瞬しゅん、沈ちん黙もくが流れた。やがてロンが言った。「そこへ、い――行くって」
「神秘部に行くんだ。シリウスを助けに」ハリーは大声を出した。
「でも――ハリー……」ロンの声が細くなった。
「なんだ なんだよ」ハリーが言った。
まるで自分が理り不ふ尽じんなことを聞いているかのように、二人が呆気あっけに取られたような顔で自分を見ているのが、ハリーには理解できなかった。
「ハリー」ハーマイオニーの声は、何だか怖こわがっているようだった。「あの……どうやって……ヴォルデモートはどうやって、誰にも気づかれずに神しん秘ぴ部ぶに入れたのかしら」
「僕が知るわけないだろ」ハリーが声を荒あららげた。「僕たちがどうやってそこに入るかが問題なんだ」
「でも……ハリー、ちょっと考えてみて」ハーマイオニーが一歩ハリーに詰つめ寄よった。
「いま、夕方の五時よ……魔法省には大勢の人が働いているわ……ヴォルデモートもシリウスも、どうやって誰にも見られずに入れる ハリー……二人とも世界一のお尋たずね者ものなのよ……闇やみ祓ばらいだらけの建物に、気づかれずに入ることができると思う」
「さあね。ヴォルデモートは『透とう明めいマント』とかなんとか使ったのさ」ハリーが叫さけんだ。
「とにかく、神秘部は、僕がいつ行っても空っぽだ――」
「あなたは一度も神秘部に行ってはいないわ」ハーマイオニーが静かに言った。「そこの夢を見た。それだけよ」
「普通の夢とは違うんだ」
こんどはハリーが立ち上がってハーマイオニーに一歩詰め寄り、真正面から怒ど鳴なった。ガタガタ揺ゆすぶってやりたかった。
「ロンのパパのことはいったいどうなんだ あれは何だったんだ おじさんの身に起きたことが、どうして僕にわかったんだ」
「それは言えてるな」ロンがハーマイオニーを見ながら静かに言った。
「でも、今回のは――あんまりにもありえないことよ」ハーマイオニーがほとんど捨すて鉢ばちで言った。「ハリー、シリウスはずっとグリモールド・プレイスにいるのに、いったいどうやってヴォルデモートがシリウスを捕つかまえたって言うの」
“哈利,”赫敏十分胆怯地说,“哦……怎么……伏地魔进入了魔法部,怎么会没有人发觉呢?”
“我怎么知道?”哈利大声吼道,“问题是我们怎么进去!”