「ほう、ほう、ほう」アンブリッジが勝ち誇ほこったような顔をした。「ミス何でも質問のお嬢じょうちゃんが、答えをくださるのね さあ、どうぞ、嬢ちゃん、どうぞ」
「アー――ミー――ニー――ダミー」さるぐつわをかまされたままで、ロンが叫さけんだ。
ジニーはハーマイオニーを初めて見るかのような目で見つめ、ネビルもまだ息を詰つまらせながら見つめていた。しかしハリーはふと気づいた。ハーマイオニーは両手に顔を埋うずめ、絶ぜつ望ぼう的てきに啜すすり泣いていたが、一滴いってきの涙も見えない。
「みんな――みんな、ごめんなさい」ハーマイオニーが言った。「でも――私、我慢がまんできない――」
「いいのよ、いいのよ、嬢ちゃん」アンブリッジがハーマイオニーの両肩を押さえ、自分がさっきまで座っていたチンツ張ばりの椅子に押しつけるように座らせ、その上にのしかかった。「さあ、それじゃ……ポッターはさっき、誰と連れん絡らくを取っていたの」
「あの」ハーマイオニーが両手の中でしゃくり上げた。「あの、何とかしてダンブルドア先生と話をしようとしていたんです」
ロンは目を見開いて体を固くした。ジニーは自分を捕つかまえているスリザリン生の爪先つまさきを踏ふんづけようとがんばるのをやめた。ルーナでさえ少し驚おどろいた顔をした。幸いなことに、アンブリッジも取り巻き連中も、ハーマイオニーのほうばかりに気を取られ、こうした不審ふしんな挙動きょどうには気づかなかった。
「ダンブルドア」アンブリッジの言葉に熱がこもった。「それじゃ、ダンブルドアがどこにいるかを知ってるのね」
「それは……いいえ」ハーマイオニーが啜り上げた。「ダイアゴン横よこ丁ちょうの『漏もれ鍋なべ』を探したり、『三本の箒ほうき』も『ホッグズ・ヘッド』までも――」
「バカな子だ――ダンブルドアがパブなんかにいるものか。魔ま法ほう省しょうが省を挙あげて捜索そうさくしているのに」アンブリッジは、弛たるんだ顔の皺しわという皺にありありと失望の色を浮かべて叫んだ。
「でも――でも、とっても大切なことを知らせたかったんです」ハーマイオニーはますますきつく両手で顔を覆おおいながら泣き叫んだ。ハリーはそれが苦しみの仕種しぐさではなく、相変わらず涙が出ていないことをごまかすためだとわかっていた。
「なるほど」アンブリッジは急に興こう奮ふんが蘇よみがえった様子だった。「何を知らせたかったの」
「私たち……私たち知らせたかったんです。あれが、で――できたって」ハーマイオニーが息を詰つまらせた。
「何ができたって」アンブリッジが問い詰め、またしてもハーマイオニーの両肩をつかみ、軽く揺ゆすぶった。「何ができたの 嬢じょうちゃん」
「あの……武器です」ハーマイオニーが言った。
「武器 武器」アンブリッジの両眼が興こう奮ふんで飛び出して見えた。
「レジスタンスの手段を何か開発かいはつしていたのね 魔法省に対して使う武器ね もちろん、ダンブルドアの命令でしょう」
「は――は――はい」ハーマイオニーが喘あえぎ喘ぎ言った。「でも、ダンブルドアは完成する前にいなくなって、それで、やっ――やっ――やっと私たちで完成したんです。それなのに、ダンブルドアが見――見――見つからなくて、知ら――知ら――知らせられないんです」
「どんな武器なの」アンブリッジは、ずんぐりした両手でハーマイオニーの肩をきつく押さえ続けながら、厳きびしく問い質ただした。
「私たちには、よ――よ――よくわかりません」ハーマイオニーは激はげしく洟はなを啜すすり上げた。
「私たちは、た――た――ただ言われたとおり、ダン――ダン――ダンブルドア先生に言われたとおり、やっ――やっ――やったの」
アンブリッジは狂きょう喜きして身を起こした。
「武器のところへ案内しなさい」アンブリッジが言った。
「見せたくないです……あの人たちには」ハーマイオニーが指の間からスリザリン生を見回して、甲高かんだかい声を出した。
“哦—— 我的—— 需—— 不!”罗恩透过塞在嘴巴里的东西喊道。
“邓布利多?”乌姆里奇热切地问,“那你知道他在哪儿?”
“嗯……不!”赫敏呜咽着说,“我们试过对角巷的破釜酒吧和三把扫帚,甚至还有猪头—— ”
“蠢丫头—— 整个魔法部都在找邓布利多,他不会坐在一间酒吧里的!”乌姆里奇喊道,她脸上的每一道松垂的皱纹上都显露出失望的神色。