「ハリー、みんなを連れて、行くんだ」
ハリーはネビルのローブの肩をつかみ、体ごと最初の石段に引っ張り上げた。ネビルの足はピクピク痙攣けいれんして、とても体を支えるどころではない。ハリーは渾身こんしんの力で引っ張り、また一段上がった――。
呪文がハリーの足下あしもとの石段に当たった。石段が砕くだけてハリーは一段下に落ちた。ネビルはその場に座り込み、相変わらず足をバタつかせていた。ネビルが予言を自分のポケットに押し込んだ。
「がんばるんだ」ハリーは必死で叫び、ネビルのローブを引っ張った。「足を踏ふん張ってみるんだ――」
ハリーはもう一度満身まんしんの力を込めて引っ張った。ネビルのローブが左側の縫ぬい目に沿そって裂さけた――小さなスパンガラスの球がポケットから落ちた。二人の手がそれを捕つかまえる間もなく、ネビルのバタつく足がそれを蹴けった。球は二、三メートル右に飛び、落ちて砕くだけた。事態じたいに愕然がくぜんとして、二人は球の割れた場所を見つめた。目だけが極きょく端たんに拡大された、真珠しんじゅのように半はん透とう明めいな姿すがたが立ち昇のぼった。気づいているのは二人だけだった。ハリーにはそれが口を動かしているのが見えた。しかし、周りの悲鳴ひめいや叫び、物のぶつかり合う音で、予言は一言も聞き取れなかった。語り終えると、その姿は跡形あとかたもなく消えてしまった。
「ハリー、ごべんね」ネビルが叫んだ。両足を相変わらずバタつかせながら、顔はすまなそうに苦悶くもんしていた。「ごべんね、ハリー、ぞんなづもりじゃ――」
「そんなこと、どうでもいい」ハリーが叫んだ。「何とかして立ってみて。ここから出――」
「ダブルドー」ネビルが言った。汗ばんだ顔がハリーの肩越しに空くうを見つめ、突然恍惚こうこつの表情になった。
「えっ」
「ダブルドー」
ハリーは振り返って、ネビルの視線しせんを追った。二人のまっすぐ上に、「脳のうの間ま」の入口を背に、額縁がくぶちの中に立つように、アルバス・ダンブルドアが立っていた。杖つえを高く掲かかげ、その顔は怒りに白熱はくねつしていた。ハリーは、体の隅々すみずみまでビリビリと電気が流れるような気がした――助かった。
“没关系!''哈利高声喊道,”试着站起来,我们离开这儿—— “
”大(邓)布利多!“纳威叫了一声,越过哈利的肩膀望去,汗涔涔的脸上露出激动的表情。
他们得救了。