「その話は、わしがハリーをホグワーツに戻してからにすればよい」ダンブルドアが言った。
「ハリー――ハリー・ポッターか」
ファッジがくるりと振り返り、ハリーを見つめた。ハリーは壁際かべぎわに立ったままで、ダンブルドアとヴォルデモートの決闘けっとうの間自分を護まもってくれ、いまは倒れている立像りつぞうのそばにいた。
「ハリーが――ここに」ファッジが言った。「どうして――いったいどういうことだ」
「わしがすべてを説明しようぞ」ダンブルドアが繰くり返した。「ハリーが学校に戻ってからじゃ」
ダンブルドアは噴水ふんすいのそばを離はなれ、黄金の魔法使いの像の頭部が転がっているところに行った。杖つえを頭部に向け「ポータス」と唱となえると、頭部は青く光り、一いっ瞬しゅん、床の上でやかましい音を立てて震ふるえたが、また動かなくなった。
「ちょっと待ってくれ、ダンブルドア」ダンブルドアが頭部を拾ひろい上げ、それを抱えてハリーのところに戻ると、ファッジが言った。「君にはその移動キーを作る権限けんげんはない 魔法大臣の真ん前で、まさかそんなことはできないのに、君は――君は――」
ダンブルドアが半月はんげつメガネの上から毅然きぜんとした目でファッジをじっと見ると、ファッジの声がだんだん尻しりすぼまりになった。
「きみは、ドローレス・アンブリッジをホグワーツから除籍じょせきする命令を出すがよい」ダンブルドアが言った。「部下の闇祓いたちに、わしの『魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく』の教師を追跡ついせきするのをやめさせ、職しょくに復帰ふっきできるようにするのじゃ。きみには……」ダンブルドアはポケットから十二本の針がある時計を引っ張り出して、ちらりと眺ながめた。「……今夜、わしの時間を三十分やろう。それだけあれば、ここで何が起こったのか、重要な点を話すのに十分じゃろう。そのあと、わしは学校に戻らねばならぬ。もし、さらにわしの助けが必要なら、もちろん、ホグワーツにおるわしに連れん絡らくをくだされば、喜んで応じよう。校長宛あての手紙を出せばわしに届く」
ファッジはますます目を白黒させた。口をポカンと開け、くしゃくしゃの白しら髪が頭あたまの下で、丸顔がだんだんピンクになった。
「私は――君は――」
ダンブルドアはファッジに背を向けた。
「この移動キーに乗るがよい、ハリー」
ダンブルドアが黄金の頭部をさし出した。ハリーはその上に手を載のせた。次に何をしようが、どこに行こうが、どうでもよかった。
「三十分後に会おうぞ」ダンブルドアが静かに言った。「いち……に……さん……」
ハリーは、臍へその裏側うらがわがぐいと引っ張られる、あのいつもの感覚を感じた。足下あしもとの磨みがかれた木の床が消えた。アトリウムもファッジも、ダンブルドアもみんな消えた。そしてハリーは、色彩しきさいと音の渦うずの中を、前へ、前へと飛んで行った……。
“我会说明一切的,”邓布利多说,“ 等哈利回到学校以后。” 他离开了水池,走到黄金巫师那颗脑袋跟前,用魔杖指向它默默念道:“门托斯。”那颗脑袋发出了蓝光,震动着地板,声音很响,几秒钟后,它又一动不动了。
“你要发一道命令让多洛雷斯乌姆里奇离开霍格沃茨。”邓布利多说,“你要告诉你的傲罗停止调查我的保护神奇生物课老师,让他重新回来工作。我要给你……”邓布利多从口袋里掏出一个有十二根指针的手表,看了一眼,“……今天晚上,我可以抽出半小时的时间,我想我们可以好好谈一下这里发生的所有关键问题。然后,我就得回到我的学校里去。如果你需要我更多的帮助,当然,你与其到霍格沃茨来找我,不如给我写信,注明校长收就好了。”