「計画の欠陥とは何か、まだわからぬか いや……わからんじゃろう。さて、きみも知っておるように、わしは答えぬことに決めた。十一歳では――とわしは自分に言い聞かせた――まだ知るには早すぎる。十一歳で話して聞かせようとは、わしはまったく意図しておらなんだ。そんな幼おさないときに知ってしまうのは荷が重すぎる、とな」
「そのときに、わしは危険な兆ちょう候こうに気づくべきじゃった。いずれは恐ろしい答えをきみに与えねばならぬとわかってはいたものの、そのときすでにきみがその質問をしたということに、わしはなぜもっと狼狽ろうばいしなかったのか。わしは自みずからにそう問うてみるべきじゃった。わしは、気づくべきであった。あの日にきみに答えずにすんだことで、有う頂ちょう天てんになりすぎていたと……きみはまだ若すぎる、幼すぎるからと」
「そして、きみはホグワーツでの二年目を迎むかえた。再びきみは、大人おとなの魔法使いでさえ立ち向かえぬような挑ちょう戦せんを受けた。そして、またしてもきみは、わしの想像を遥はるかに超こえるほどに本分ほんぶんを果たした。しかし、きみは、ヴォルデモートがなぜその印をきみに残したのかという問いを再びわしに聞きはせなんだ。きみの傷きず痕あとの話はした。おう、そうじゃ……話の核心かくしんにかぎりなく近いところまで行ったのじゃ。なぜわしは、きみにすべてを話さなかったのじゃろう」
「いや、そのような知らせを受け取るには、十二歳の年齢ねんれいは、結局十一歳とあまり変わらぬとわしはそう思うた。返り血を浴あびたきみが、疲れ果て、しかし意い気き揚よう々ようとわしの面前から去るのを、わしはそのままにした。そのとき話すべきではないかと、ちくりと心が痛んだが、それもたちまち沈ちん黙もくさせられた。きみはまだ若すぎた。わしにはのう、その勝利の夜を台無だいなしにすることなど、とてもできなかった……」
「わかったか ハリー わしのすばらしい計画の弱点が、もうわかったかな 予測していた罠わなに、避さけられる、避けねばならぬと自分に言い聞かせていた罠に、わしははまってしもうた」
「僕、わかり――」
「きみをあまりにも愛いとおしく思いすぎたのじゃ」ダンブルドアはさらりと言った。「わしにとっては、きみが幸せであることのほうが、きみが真実を知ることより大事だったのじゃ。わしの計画よりきみの心の平安のほうが、計画が失敗したときに失われるかもしれない多くの命より、きみの命のほうが大事だったのじゃ。つまり、わしはまさに、ヴォルデモートの思うつぼ、人を愛する者が取る愚おろかな行動を取っていたのじゃ」
”是这样,在我看来,对于接受这样的事情,毕竟十二岁比起十一岁来也强不了多少。我让你走开了,当时你血迹斑斑,疲惫不堪,却很开心很兴奋。即使当时我感到有些愧疚,觉得我或许早应该告诉你,但这份愧疚很快就平静下来。你还是太小了,你知道的,我不能够让自己破坏了那天晚上的胜利气氛……
“你现在发现了吗,哈利?你现在发现了我这个卓越的计划中的破绽了吗?我已经陷进了我曾经预见到的圈套里,但我曾经对自己说,我能够避免,我必须避免。”