日曜日にしても、城の中は静かすぎるようだった。みんな太陽がいっぱいの校庭に出て、試験が終り、学期も残すところあと数日で、復ふく習しゅうも宿題もないという時を楽しんでいるに違いない。ハリーは、誰もいない廊下ろうかをゆっくり歩きながら窓の外を覗のぞいた。クィディッチ競技場の上空を飛び回って楽しんでいる生徒もいれば、大イカと並んで湖を泳ぐ生徒もちらほら見える。
誰かと一いっ緒しょにいたいのかどうか、ハリーにはよくわからなかった。誰かと一緒だと、どこかへ行ってしまいたいと思い、一人だと人恋ひとこいしくなった。しかし、本当にハグリッドを訪たずねてみようかと思った。ハグリッドが帰ってきてから、まだ一度もちゃんと話をしていないし……。
玄げん関かんホールへの大だい理り石せきの階段の最後の一段を下りたちょうどそのとき、右側のドアからマルフォイ、クラッブ、ゴイルが現れた。そこはスリザリンの談だん話わ室しつに続くドアだ。ハリーの足がはたと止まった。マルフォイたちも同じだった。聞こえる音と言えば、開け放はなした正面扉とびらを通して流れ込む、校庭の叫さけび声、笑い声、水の撥はねる音だけだった。
マルフォイがあたりに目を走らせた――誰か先生の姿がないかどうか確かめているのだと、ハリーにはわかった――ハリーに視線しせんを戻し、マルフォイが低い声で言った。
「ポッター、おまえは死んだ」
ハリーは眉まゆをちょっと吊つり上げた。
「変だな」ハリーが言った。「それなら歩き回っちゃいないはずだけど……」
マルフォイがこんなに怒るのを、ハリーは見たことがなかった。青白い顎あごの尖とがった顔が怒りに歪ゆがむのを見て、ハリーは冷さめた満足感を感じた。
「つけを払うことになるぞ」マルフォイはほとんど囁ささやくような低い声で言った。「僕がそうさせてやる。おまえのせいで父上は……」
「そうか。こんどこそ怖こわくなったよ」ハリーが皮肉ひにくたっぷりに言った。「おまえたち三人に比べれば、ヴォルデモート卿きょうなんて、ほんの前座ぜんざだったな。―――どうした」ハリーが聞いた。マルフォイ、クラッブ、ゴイルが、名前を聞いて一斉いっせいに衝しょう撃げきを受けた顔をしたからだ。「あいつは、おまえの父親の友達だろう 怖くなんかないだろう」
「自分を何様だと思ってるんだ、ポッター」マルフォイは、クラッブとゴイルに両りょう脇わきを護まもられながら、ハリーに迫せまってきた。「見てろ。おまえをやってやる。父上を牢獄ろうごくなんかに入れさせるものか――」
「もう入れたと思ったけどな」ハリーが言った。
「吸魂鬼ディメンターがアズカバンを棄すてた」マルフォイが落ち着いて言った。「父上も、ほかのみんなも、すぐ出てくる……」
「ああ、きっとそうだろうな」ハリーが言った。「それでも、少なくともいまは、連中がどんなワルかってことが知れ渡った――」
哈利扬起了眉毛。“真滑稽,”他说,“你应该想到我就是冲着你们来的……”
“你要付出代价的,”马尔福说,声音比耳语大不了多少,“你对我父亲所做的一切我要让你付出代价……”