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第26章 洞窟 The Cave(18)_ハリー・ポッターと謎のプリンス_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3338

水浸みずびたしのボロと、氷のような肌はだがざっくりと切り裂かれはしたが、亡者は流すべき血を持たなかった。何も感じない様子で、萎しなびた手をハリーに向けて伸ばしながら歩き続けた。さらに後退りしたとき、ハリーは背後からいくつもの腕で締しめつけられるのを感じた。死のように冷たく、痩やせこけた薄うすっぺらな腕が、ハリーを吊つるし上げ、ゆっくりと、そして確実に水辺みずべに引きずり込んでいった。逃れる道はない、とハリーは覚悟した。自分は溺おぼれ、引き裂かれたヴォルデモートの魂たましいのひと欠かけらを護衛ごえいする、死人しびとの一人になるのか……。

そのとき、暗くら闇やみの中から火が燃え上がった。紅くれないと金色こんじきの炎の輪が岩場を取り囲み、ハリーをあれほどがっしりとつかんでいた亡者どもは、転まろび、怯ひるんだ。火をかいくぐって、湖に戻もどることさえできなかった。亡者はハリーを放した。地べたに落ちたハリーは岩で滑すべって転び、両腕をすりむいたが、何とか立ち上がり、杖を構かまえてあたりに目を凝こらした。

ダンブルドアが再び立ち上がっていた。顔色こそ包囲ほういしている亡者と同じく蒼あお白じろかったが、背の高いその姿はすっくと抜きん出ていた。瞳ひとみに炎を躍おどらせ、杖を松明たいまつのように掲かかげている。杖つえ先さきから噴ふん出しゅつする炎が、巨大な投げ縄のように周囲のすべてを熱く取り囲んでいた。

亡者は、炎の包囲から逃れようとぶつかり合い、やみくもに逃げ惑まどっていた……。

ダンブルドアは水すい盆ぼんの底からロケットをすくい上げ、ローブの中にしまい込み、無言のままハリーを自分のそばに招き寄せた。炎に撹乱かくらんされた亡者どもは、獲物えものが去っていくのに気づかない。ダンブルドアはハリーを小舟へと誘いざない、炎の輪も二人を取り巻いて水辺へと移動した。うろたえた亡者どもは水際みずぎわまでついてきて、そこから暗い水の中へと我先われさきに滑り落ちていった。

体中震ふるえながらも、ハリーは一いっ瞬しゅん、ダンブルドアが自力で小舟に乗れないのではないかと思った。乗り込もうとして、ダンブルドアはわずかによろめいた。持てる力のすべてを、二人を囲む炎の輪の護まもりを維い持じするために注ぎ込んでいるように見えた。ハリーはダンブルドアを支え、小舟に乗るのを助けた。二人が再びしっかり乗り込むと、小舟は小島を離はなれ、炎の輪に囲まれたまま黒い湖を戻もどりはじめた。下のほうにうようよしている亡者もうじゃどもは、どうやら二度と浮ふ上じょうできないらしい。

「先生」ハリーは喘あえぎながら言った。

「先生、僕、忘れていました――炎のことを――亡者に襲おそわれて、僕、パニックになってしまって――」

「当然のことじゃ」

ダンブルドアが呟つぶやくように言った。その声があまりに弱々しいのに、ハリーは驚いた。


    阴尸们破烂的湿衣服和冰冷的皮肤上出现了深深的大口子,但没有一滴血流出来。它们无知无觉,继续一步步逼了过来,朝哈利伸出一双双干枯的手。哈利又往后退了几步,感觉有胳膊从后面搂住了他,那些像死亡一样冰冷、没有血肉的胳膊,把他从地面上抱了起来,缓缓地、但毫不犹豫地走向了黑湖。哈利知道他没有办法脱身,他肯定会被淹死的,成为另一具守护伏地魔某个灵魂碎片的阴尸……
 
    可是就在这时,黑暗中出现了腾腾的火焰:一个明亮的、金红色的火环环绕在岩石周围,那些紧紧抓住哈利的阴尸一具具变得脚步踉跄、身体摇晃。它们不敢穿过火焰进入湖水,只好扔下了哈利。哈利摔在地上,脚滑在岩石上,擦破了胳膊,但是他赶紧挣扎着爬起来,举起魔杖警惕地望着四周。
 
    邓布利多已经又站了起来,他的脸色像周围的阴尸一样惨白,但是个子比它们都高,火光在他的眼睛里跳动。他的魔杖像火把一样高高地举着,魔杖尖上蹿出一道道火焰,像一根巨大而温暖的套索,把阴尸们都围了起来。
 
    阴尸们互相撞在一起,晕头转向地想逃避围住它们的火焰……
 
    邓布利多从石盆底下捞起挂坠盒,塞进了他的长袍里面。他一言不发,示意哈利到他身边去。阴尸们被火焰弄昏了头脑,似乎没有意识到它们追捕的人正要离开小岛。这时邓布利多领着哈利向小船走去,那道光环围着他们一直移动。不知所措的阴尸们簇拥着他们来到湖边,迫不及待地重新滑入黑暗的湖水中。
 
    哈利浑身都在发抖,他以为邓布利多没有力气爬上小船了。邓布利多上船的时候脚步有些踉跄,他似乎在用全部的精力维持他们周围那道防护的光环。哈利扶着他,让他在小船里坐好。两人刚刚挤坐进去,小船就掠过漆黑的水面往回驶去,离开了仍然被火环包围的岩石。那些在水下漂浮的阴尸似乎再也不敢露面了。
 
    “先生,”哈利喘着气说,“先生,我忘记了——忘记了火——他们突然朝我扑来,把我吓坏了——”
 
    “可以理解。”邓布利多喃喃地说。哈利惊恐地听出他的声音十分虚弱。

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