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第30章 白い墓 The White Tomb(10)_ハリー・ポッターと謎のプリンス_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3337

熱い太陽の下に座りながら、ハリーははっきりと気づいた。ハリーを愛した人々が、一人、また一人とハリーの前で敵に立ちはだかり、あくまでもハリーを護まもろうとしたのだ。父さん、母さん、名な付づけ親おや、そしてついにダンブルドアまでも。しかし、いまやそれは終わった。自分とヴォルデモートの間に、もう他の誰だれをも立たせるわけにはいかない。両親の腕かいなに護られ、自分を傷つけるものは何もないなどという幻想げんそうを、ハリーは未来永劫えいごう捨て去らなければならない。一歳のときにすでに捨てるべきだった。もはやハリーはこの悪夢あくむから醒さめることはないし、本当は安全なのだ、すべては思い込みにすぎないのだと闇やみの中で囁ささやく、慰なぐさめの声もない。最後の、そしてもっとも偉大いだいな庇ひ護ご者しゃが死んでしまった。そしてハリーは、これまでより、もっとひとりぼっちだった。

喪服もふくの小柄こがらな魔法使いが、やっと話すのをやめて席に戻もどった。ほかの誰かが立ち上がるのを、ハリーは待った。おそらく魔法大臣の弔辞ちょうじなどが続くのだろうと思った。しかし、誰も動かなかった。

やがて何人かが悲鳴を上げた。ダンブルドアの亡なき骸がらとそれを載のせた台の周まわりに、眩まばゆい白い炎が燃え上がった。炎はだんだん高く上がり、亡骸が朧おぼろにしか見えなくなった。白い煙が渦うずを巻いて立ち昇り、不思議な形を描いた。ほんの一いっ瞬しゅん、青空に楽しげに舞う不死鳥の姿を見たような気がして、ハリーは心臓が止まる思いがした。しかし次の瞬しゅん間かん、炎は消え、そのあとには、ダンブルドアの亡骸と、亡骸を載せた台とを葬ほうむった、白い大だい理り石せきの墓はかが残されていた。

天から雨のように矢が降ふり注ぎ、再び衝しょう撃げきの悲鳴が上がった。しかし矢は参さん列れつ者しゃから遥はるかに離れたところに落ちた。それがケンタウルスの死者への表ひょう敬けいの礼なのだと、ハリーにはわかった。ケンタウルスは参列者に尻尾しっぽを向け、涼すずしい木々の中へと戻っていった。同じく水中人も、緑色の湖の中へとゆっくり沈んでいき、姿が見えなくなった。

ハリーは、ジニー、ロン、ハーマイオニーを見た。ロンは太陽が眩まぶしいかのように顔をくしゃくしゃにしかめていた。ハーマイオニーの顔は涙なみだで光っていたが、ジニーはもう泣いてはいなかった。ハリーの視線しせんを、ジニーは燃えるような強い眼差しで受け止めた。ハリーが出場しなかったクィディッチ優勝戦で勝ったあと、ハリーに抱きついたときにジニーが見せた、あの眼差しだった。その瞬間ハリーは、二人が完全に理解し合ったことを知った。ハリーがいま何をしようとしているかを告げても、ジニーは「気をつけて」とか「そんなことをしないで」とは言わず、ハリーの決意を受け入れるだろう。なぜなら、ジニーがハリーに期待しているのは、それ以外の何物でもないからだ。ダンブルドアが亡くなって以来ずっと、言わなければならないとわかっていたことをついに言おうと、ハリーは自分を奮ふるい立たせた。


    哈利坐在热辣辣的太阳底下,清清楚楚地看见那些关心他的人一个人站在他的面前,他的妈妈、爸爸,他的教父,最后是邓布利多,他们都决心要保护他,然而现在一切都结束了。他不能再让任何人挡在他和伏地魔之间。他必须永远抛弃那个早在一岁时就应该丢开的幻想,不再以为某位长辈的怀抱会保护他不受任何伤害。现在没有人会把他从噩梦中唤醒,没有人会在黑暗中低声安慰他,说他实际上是安全的,一切都是他自己想象出来的。他的最后一位、也是最了不起的一位保护者也死了,他比以前任何时候都更加孤独。
 
    小个子男人终于说完,回到了座位上。哈利等着另外的人站起来,他以为还会有人讲话,比如部长大人,但是谁也没有动弹。
 
    突然,几个人尖叫起来。耀眼的白色火焰从邓布利多的遗体和那张桌子周围蹿了出来:火苗越蹿越高,遮挡住了遗体。白色的烟袅袅地升向空中,呈现出各种奇怪的形状:一刹那间,哈利仿佛看见一只凤凰欢快地飞上了蓝天,但紧接着火焰就消失了,那里出现了一座白色的大理石坟墓,把邓布利多的遗体和安放遗体的那张桌子都包在了里面。
 
    无数枚箭像阵雨一样躲向空中,引起了几声惊叫,但它们在离人群很远的地方就坠落了。哈利知道,这是马人们在志哀。他看见他们掉转身体,消失在阴凉的树丛中。那些鱼人也慢慢沉入绿色的水底,再也看不见了。
 
    哈利看着金妮、罗恩和赫敏。罗恩的脸缩成一团,似乎太阳刺得他睁不开眼睛。赫敏脸上满是亮晶晶的泪痕,但金妮已经不哭了。她迎着哈利的目光,神情刚毅而热烈,就像哈利缺席的那天球队赢得魁地奇杯后她拥抱哈利的时候那样。在那一刻,哈利知道他们彼此心心相印,知道当他把他要做的事情告诉她时,她不会说“你要小心”或“你别去做”,而是会欣然接受他的决定,因为她从心底里知道他就是那样一个人。于是,他咬咬牙,说出了自从邓布利多死后他就知道非说不可的话。

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11/28 12:45