日语学习网
第2章 追悼 In Memoriam(1)_ハリー・ポッターと死の秘宝_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3345
第2章 追悼 In Memoriam
第2章 追悼 In Memoriam

ハリーは血を流していた。けがした右手を反対の手で押さえ、小声で悪態あくたいをつきながら二階の寝室しんしつのドアを肩で押し開けた。ガチャンと陶器とうきの割れる音がして、ハリーは、ドアの外に置かれていた冷めた紅茶のカップを踏ふんづけていた。

「いったい何だ――」

ハリーはあたりを見回した。プリベット通り四番地。二階の階段の踊おどり場ばには誰もいない。紅茶のカップは、ダドリーの仕掛けた罠わなだったのかもしれない。ダドリーは、賢かしこい「間ま抜ぬけ落おとし」と考えたのだろう。血の出ている右手を上げてかばいながら、ハリーは左手で陶器のかけらを掻かき集め、ドアの内側に少しだけ見えているゴミ箱へ投げ入れた。ゴミ箱はすでに、かなりぎゅうぎゅう詰めになっている。それから腹立ちまぎれに足を踏ふみ鳴らしながらバスルームまで行き、指を蛇口じゃぐちの下に突き出して洗った。

あと四日も魔法が使えないなんて、ばかげている。何の意味もないし、どうしようもないほどいらだたしい……しかし考えてみれば、この指のギザギザした切り傷は、ハリーの魔法ではどうにもならなかった。傷の治し方など習ったことはない。そう言えば――とくにこれからやろうとしている計画を考えると――これは、ハリーが受けてきた魔法教育の重大な欠陥けっかんのようだ。どうやって治すのか、ハーマイオニーに聞かなければと自分に言い聞かせながら、ハリーはトイレットペーパーを分厚く巻き取って、こぼれた紅茶をできるだけきれいに拭ふき取り、部屋に戻ってドアをバタンと閉めた。

ハリーは午前中一杯かけて、六年前に荷造にづくりしてから初めて、学校用のトランクを完全に空からにするという作業さぎょうを続けた。これまでは、トランクの上から四分の三ほどを学期が始まる前に入れ替かえたりしただけで、底にたまったガラクタの層そうには手をつけなかった――古い羽は根ねペン、干からびたコガネムシの目玉、片方しかない小さくなったソックスなどが押し込まれていた。ほんの数分前、その万まん年ねん床どこに右手を突っ込み、薬指くすりゆびに鋭するどい痛いたみを感じて引っ込めると、ひどく出血していたのだ。

ハリーは、こんどはもっと慎重しんちょうに取り組もうと、もう一度トランクの脇わきに膝ひざをついて、底のほうに探さぐりを入れた。「セドリック・ディゴリーを応援おうえんしよう」と「汚きたないぞ、ポッター」の文字が交互こうごに光る古いバッジが弱々しく光りながら出てきたあとに、割れてボロボロになった「かくれん防止ぼうし器き」、そして「・・」の署名しょめいのあるメモが隠されていた金のロケットが出てきた。それからやっと、切り傷の犯人である刃物が見つかった。正体はすぐにわかった。名付け親のシリウスが死ぬ前にくれた魔法の鏡の、長さ六センチほどのかけらだった。それを脇に置き、もうかけらは残っていないかと注意深く手探てさぐりしたが、粉々こなごなになったガラスがいちばん底のガラクタにくっついてキラキラしているだけで、シリウスの最後の贈おくり物ものは、ほかに何も残っていなかった。

ハリーは座り直し、指を切ったギザギザのかけらをよく調べたが、自分の明るい緑の目が見つめ返すばかりだった。ハリーは、読まずにベッドの上に置いてあるその日の「日にっ刊かん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん」の上に、そのかけらを置いた。割れた鏡が、辛つらい思い出を一時に蘇よみがえらせた。後悔こうかいが胸を刺さし、会いたい思いがつのった。ハリーはトランクに残ったガラクタを整理することで胸の痛みを堰せき止めようとした。


第2章 回忆
    哈利在流血。他左手捏住右手,嘴里不出声地骂着,用肩膀推开卧室的门。脚下突然发出瓷器碎裂的嘎吱声:一杯凉茶放在他卧室门外的地上,他一脚踩了上去。
    “怎么——?”
    哈利四下张望,女贞路4号的楼梯平台上空无一人。这杯茶大概是达力自作聪明,想给他搞个恶作剧吧。哈利高举着流血的手,用另一只手捡起茶杯的碎片,扔进卧室门后那个已经满满当当的垃圾箱里。然后他穿过房间走进浴室,把手指放在水龙头下冲洗。
    还有四天不能使用魔法,这真是愚蠢,毫无道理,令人恼火……但他不得不承认,手指上这个深深的伤口肯定使他不能得心应手。他从来没学会怎样修复创伤,现在想来——特别是想到他的下一步计划——这似乎是他魔法教育中的一个严重缺陷。他一边暗自决定下次向赫敏请教这个问题,一边拿一大团手纸尽量擦去地板上的茶渍,然后回到卧室,重重地关上了房门。
    早上,哈利彻底清空了他上学用的箱子,这是他六年前装箱以来的第一次。以前每次开学,他都是把箱子上面四分之三的东西替换、更新一下,箱底一直留着一层乱七八糟的杂物——旧的羽毛笔,枯干的甲虫眼睛,早已穿不下的配不成对的袜子。几分钟前,哈利把手伸进这层杂物,右手的无名指突然一阵钻心的剧痛,抽出来一看,已经血流如注。
    现在他的动作比较谨慎了。他重新跪在箱子旁边,在箱底小心摸索着,掏出一个破旧的徽章,上面交替闪烁着支持塞德里克。迪戈里和波特臭大粪的淡淡字样;接着他又掏出一个破旧开裂的窥镜和一个金挂坠盒,盒里藏着一张签名为R.A.B.的字条,最后发现了划伤他手指的利刃。他立刻认了出来,那是已故教父小天狼星送给他的魔镜碎片,有两英寸长。哈利把它放在一边,小心翼翼地在箱子里寻找其他残片,可是教父的最后一件礼物只剩下了星星点点的玻璃碎屑,粘在箱子的最底层,像亮晶晶的粗砂粒。
    哈利直起身子,仔细端详着那块划伤他手指、边缘不齐的碎片,在里面只看见自己的一双明亮的绿眼睛。他把破镜片放在床上那份早晨刚送到、还没有看过的《预言家日报》上,转身去对付箱子里剩下的垃圾,想以此遏制突然涌上心头的痛苦回忆,那些由破碎的镜片引起的揪心的悔恨和思念。

分享到:

顶部
11/24 15:31