七時には招待客全員が到着し、外の小道の突き当たりに立って出迎えていたフレッドとジョージの案内で、家の境界内に入ってきた。ハグリッドはこの日のために正せい装そうし、一いっ張ちょう羅らのむさくるしい毛むくじゃらの茶色のスーツを着込んでいた。ルーピンはハリーと握あく手しゅしながら微笑ほほえんだが、何だか浮かぬ顔だった。横で晴れ晴れとうれしそうにしているトンクスとは、奇妙きみょうな組み合わせだった。
「お誕たん生じょう日びおめでとう、ハリー」トンクスは、ハリーを強く抱きしめた。
「十七歳か、えぇ」ハグリッドは、フレッドからバケツ大のグラスに入ったワインを受け取りながら言った。「俺おれたちが出会った日から六年だ、ハリー、覚えちょるか」
「ぼんやりとね」ハリーはにやっと笑いかけた。「入口のドアをぶち破やぶって、ダドリーに豚ぶたの尻尾を生やして、僕が魔法使いだって言わなかった」
「細こまけえことは忘れたな」ハグリッドがうれしそうに笑った。「ロン、ハーマイオニー、元気か」
「私たちは元気よ」ハーマイオニーが答えた。「ハグリッドは」
「ああ、まあまあだ。忙しくしとった。一角獣ユニコーンの赤ん坊が何頭か生まれてな。おまえさんたちが戻ったら、見せてやるからな――」
ハリーは、ロンとハーマイオニーの視線を避さけた。ハグリッドは、ポケットの中をガサゴソ探りはじめた。
「あったぞ、ハリー――おまえさんに何をやったらええか思いつかんかったが、これを思い出してな」
ハグリッドは、ちょっと毛の生えた小さな巾きん着ちゃく袋ぶくろを取り出した。長い紐ひもがついていて、どうやら首から掛かけるらしい。
「モークトカゲの革かわだ。中に何か隠すとええ。持もち主ぬし以外は取り出せねえからな。こいつぁめずらしいもんだぞ」
「ハグリッド、ありがとう」
「なんでもねえ」ハグリッドは、ゴミバケツの蓋ふたほどもある手を振ふった。
「おっ、チャーリーがいるじゃねえか 俺は昔っからあいつが気に入っとってな――ヘイ チャーリー」
チャーリーはやや無念そうに、無残にも短くされたばかりの髪かみを手でかきながらやって来た。ロンより背が低くがっちりしていて、筋きん肉にく質しつの両腕は火傷やけどや引っ掻かき傷だらけだった。