「エクスペリアームス 武ぶ器きよ去れ」
ハーマイオニーの杖はぴくりと動いたが、手を離はなれはしなかった。弱々しく魔法をかけようとした杖は、負担に耐たえきれずにまた二つに折れた。ハリーは愕がく然ぜんとして杖を見つめた。目の前で起こったことが信じられなかった……あれほどさまざまな場面を生き抜いた杖が……。
「ハリー」ハーマイオニーが囁ささやいた。
ハリーにはほとんど聞き取れないほど小さな声だった。
「ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。私が壊こわしたと思うの。逃げるとき、ほら、蛇へびが私たちを襲おそってきたので、『爆発ばくはつ呪じゅ文もん』をかけたの。それが、あちこち撥はね返って、それできっと――きっとそれが当たって――」
「事故だった」
ハリーは無意識に答えた。頭が真っ白で、何も考えられなかった。
「なんとか――なんとか修理する方法を見つけるよ」
「ハリー、それはできないと思うわ」
ハーマイオニーの頬ほおを涙がこぼれ落ちていた。
「覚えているかしら……ロンのこと 自動車の衝突しょうとつで、あの人の杖つえが折れたときのこと どうしても元通りにならなくて、新しいのを買わなければならなかったわ」
ハリーは、誘ゆう拐かいされてヴォルデモートの人質になっているオリバンダーのことや、死んでしまったグレゴロビッチのことを思った。どうやったら新しい杖が手に入るというのだろう
「まあね」ハリーは平気な声を装よそおった。「それじゃ、いまは君のを借りるよ。見張りをする間」
涙で顔を光らせ、ハーマイオニーは自分の杖を渡した。ハリーはベッド脇わきに座っているハーマイオニーをそのままにして、そこから離はなれた。とにかくハーマイオニーから離れたかった。
“荧光闪烁!”
魔杖微弱地一亮,又熄灭了。哈利用它指着赫敏。
“除你武器!”
赫敏的魔杖歪了一下,但没有脱手。这无力的尝试已经让 哈利的魔杖不能承受,又断成两截。他看着它,吓呆了,不能 理解眼前的情景……这根身经百战的魔杖……
“哈利,”赫敏说,声音轻得他几乎听不到,“我非常, 非常抱歉。我想是我弄的。你知道,我们逃走的时候,大蛇正 扑过来,所以我施了个爆炸咒,它到处反弹,一定是——一定 是打到了——”
“是个意外,”哈利机械地说,他感到空落落的,脑袋发 蒙,“我们——我们会有办法修好它的。”
“哈利,我想没有办法了。”赫敏说,眼泪流了下来,“ 记得……记得罗恩吗?他的魔杖在车祸中折断后,就再也没有 恢复原样,他不得不另买了一根。”
哈利想到了奥利凡德,被伏地魔绑架扣押着,想到了格里 戈维奇,已经死了。他如何才能找到一根新魔杖呢?
“哦,”他装出一副平平常常的口气说,“好吧,那我就 暂时借你的用一下吧。我去放哨。”
赫敏满脸是泪,递过她的魔杖。哈利留下她一个人坐在床 边,他此刻只想离开她。