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第33章 プリンスの物語 The Prince's Tale(3)
日期:2023-08-11 15:18  点击:279

死者は、大広間の真ん中に横たえられていた。フレッドの亡なき骸がらは、家族に囲まれていてハリーには見えなかった。ジョージが頭のところにひざまずき、ウィーズリーおばさんはフレッドの胸の上に突っ伏して体を震わせていた。おばさんの髪かみをなでながら、ウィーズリーおじさんの頬ほおには、滝のような涙が流れていた。

ハリーには何も言わずに、ロンとハーマイオニーが離れていった。ハリーはハーマイオニーが、顔を真っ赤に泣き腫はらしたジニーに近づいて抱きしめるのを見た。ロンは、ビル、フラー、パーシーのそばに行った。パーシーは、ロンの肩を抱いた。ジニーとハーマイオニーが、家族のほうに近寄ろうと移動したとき、ハリーはフレッドの隣となりに横たわる亡骸をはっきりと見た。リーマスとトンクスだ。血の気の失うせた顔は、静かで安らかだった。魔法のかかった暗い天井の下で、まるで眠っているように見えた。

ハリーは、入口からよろよろと後あと退ずさりした。大広間が飛び去り、小さく縮んでいくような気がした。ハリーは胸が詰まった。そのほかに誰が自分のために死んだのかを、亡骸を見て確かめるなどとてもできない。ウィーズリー一家のそばに行くことなど、とてもできない。ウィーズリー家のみんなの目をまともに見ることなど、できない。はじめから自分が我が身を差し出していれば、フレッドは死なずにすんだかもしれないのに……。

ハリーは大広間に背を向け、大理石の階段を駆かけ上がった。ルーピン、トンクス……感じることができなければいいのに……心を引き抜いてしまいたい。腸はらわたも何もかも、体の中で悲鳴を上げているすべてのものを、引き抜いてしまうことができればいいのに……。

城の中は、完全に空からっぽだった。ゴーストまでが大広間の追つい悼とうに加わっているようだった。ハリーは、スネイプの最後の想いが入ったクリスタルのフラスコを握りしめて、走り続けた。校長室を護衛ごえいしている石のガーゴイル像の前に着くまで、ハリーは速度を緩ゆるめなかった。

「合言葉は」

「ダンブルドア」

ハリーは反はん射しゃ的てきに叫さけんだ。ハリーがどうしても会いたかったのがダンブルドアだったからだ。驚いたことに、ガーゴイルは横に滑すべり、背後の螺ら旋せん階かい段だんが現れた。

円形の校長室に飛び込んだハリーは、ある変化が起こっているのに気づいた。周囲の壁かべに掛かかっている肖しょう像ぞう画がは、すべて空からだった。歴代校長は誰一人として、ハリーを待ち受けてはいなかった。どうやら全員が状況をよく見ようと、城に掛けられている絵画の中を駆かけ抜けていったらしい。

ハリーはがっかりして、校長の椅い子すの真後ろに掛かっているダンブルドアのいない額がくをちらりと見上げ、すぐに背を向けた。石の「憂うれいの篩ふるい」が、いつもの戸棚とだなの中に置かれていた。ハリーは、それを持ち上げて机の上に置き、ルーン文字を縁ふちに刻きざんだ大きな水すい盆ぼんに、スネイプの記憶を注ぎ込んだ。誰かほかの人間の頭の中に逃げ込めれば、どんなに気が休まることか……たとえあのスネイプがハリーに遺のこしたものであれ、ハリー自身の想いより悪いはずがない。記憶は銀白色の不思議な渦うずを巻いた。どうにでもなれと自じ暴ぼう自じ棄きな気持で、自分を責せめさいなむ悲しみをこの記憶が和やわらげてくれるとでも言うように、ハリーは迷わず渦に飛び込んだ。


    死者在礼堂中央躺成一排。哈利看不见弗雷德的遗体,因 为他的家人把他团团围住了。乔治跪在弗雷德脑袋边,韦斯莱夫人浑身颤抖地伏在弗雷德胸上,韦 斯莱先生抚摸着她的头发,泪流满面。
    罗恩和赫敏没有对哈利说一句话就走开了。哈利看见赫敏 走到金妮面前抱了抱她,金妮的脸肿着,满是污垢。罗恩走到比尔、芙蓉和珀西身边,珀西搂住了 罗恩的肩膀。就在金妮和赫敏靠近家里其他人时,哈利看清了躺在弗雷德身边的两具遗体:莱姆斯和唐克斯,脸色苍白,一动不动,但看上去很宁静,似乎在施了魔法的漆黑的天花板下安详地睡着了。
    哈利踉踉跄跄地后退着离开了门口,礼堂似乎在飞去,越 缩越小。他透不过气来。他没有勇气再去看其他遗体,再去弄清还有谁为他而死。他不敢去见韦斯莱一家,不敢看他们的眼睛,如果他一开始就主动投降,弗雷德也许就不会死……
    他转身顺着大理石楼梯往上跑。卢平、唐克斯……他多么 希望自己没有感觉……多么希望能把他的心、他的五脏六腑都扯出来,这些东西都在他的体内尖叫 ……
    城堡里空无一人,就连幽灵似乎也加入了礼堂里哀悼的人 群。哈利不停地往前跑,手里紧紧攥着装满斯内普最后思想的水晶瓶,一直跑到校长办公室外的石 兽跟前才放慢了脚步。
    “口令?”
    “邓布利多!”哈利不假思索地喊道,因为他心里最想见 的人就是邓布利多。令他吃惊的是,石兽竟然滑到一边,露出了后面的螺旋楼梯。
    哈利冲进圆形办公室,发现这里已经有了变化。墙上挂的 肖像都空了。那些男女校长没有一个留在这里。他们似乎都逃走了,顺着城堡墙壁上排列的图画冲到了前面,想看清事态的发展。
    哈利绝望地看了一眼挂在校长座椅后面的邓布利多的空肖 像,然后转过身来。石头冥想盆还和往常一样放在柜子里。哈利把盆口刻有如尼文符号的大石盆搬 到桌上,将斯内普的记忆倒了进去。逃到别人的思想里去也是一种解脱……即使是斯内普留给他的东西 ,也不可能比他自己的思绪更糟。记忆在旋转,银白色,形状奇异,哈利不再迟疑,抱着一种不管不顾 、彻底放弃的心理,一头扎了进去,似乎这能缓解他内心刀割般的痛苦。

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07/06 19:56