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第33章 プリンスの物語 The Prince's Tale(4)
日期:2023-08-11 15:21  点击:312

頭から先に陽ひの光を浴び、ハリーの両足は温あたたかな大地を踏ふんだ。立ち上がると、ほとんど誰もいない遊び場にいた。遠くに見える街まちの家並やなみの上に、巨大な煙突が一本そそり立っている。女の子が二人、それぞれブランコに乗って前後に揺ゆれている。痩やせた男の子が、その背後の潅かん木ぼくの茂みからじっと二人を見ていた。男の子の黒い髪かみは伸び放ほう題だいで、服装はわざとそうしたかと思えるほど、ひどくちぐはぐだった。短すぎるジーンズに大人の男物らしいだぶだぶでみすぼらしい上着、おかしなスモックのようなシャツを着ている。

ハリーは男の子に近づいた。せいぜい九歳か十歳のスネイプだ。顔色が悪く、小さくて筋すじ張ばっている。ブランコをどんどん高く漕こいでいるほうの少女を見つめるスネイプの細長い顔に、憧あこがれがむき出しになっていた。

「リリー、そんなことしちゃダメ」もう一人の少女が、金切かなきり声ごえを上げた。

しかしリリーは、ブランコが弧こを描いたいちばん高いところで手を離して飛び出し、大きな笑い声を上げながら、上空に向かって文字どおり空を飛んだ。そして、遊び場のアスファルトに墜つい落らくしてくしゃくしゃになるどころか、空中ブランコ乗りのように舞い上がって異常に長い間空中にとどまり、不自然なほど軽々と着地した。

「ママが、そんなことしちゃいけないって言ったわ」

ペチュニアは、ズルズル音を立てて、サンダルの踵かかとでブランコにブレーキをかけ、ぴょんと立ち上がって腰に両手を当てた。

「リリー、あなたがそんなことするのは許さないって、ママが言ったわ」

「だって、わたしは大丈夫よ」

リリーは、まだクスクス笑っていた。

「チュニー、これ見て。わたし、こんなことができるのよ」

ペチュニアはちらりと周りを見た。遊び場には二人のほかに誰もいない。二人に隠れて、スネイプがいるだけだった。リリーは、スネイプが潜ひそむ茂みの前に落ちている花を拾い上げた。ペチュニアは、見たい気持と許したくない気持の間で明らかに揺ゆれ動きながらも、リリーに近づいた。リリーは、ペチュニアがよく見えるように近くに来るまで待ってから、手を突き出した。花は、その手のひらの中で、襞ひだの多い奇妙きみょうな牡か蠣きのように、花びらを開いたり閉じたりしていた。





    他头朝前落进了阳光里,双脚踏在温暖的土地上。他直起 身子,发现自己是在一个几乎没有人的游乐场上。一个大大的烟囱赫然耸立在远处的天际。两个女 孩在荡秋千,一个瘦瘦的男孩躲在灌木丛后面注视着她们。男孩的黑头发很长,身上的衣服极不协调, 倒像是故意穿成这个样子:一条过短的牛仔裤,一件又大又长、像是大人穿的破旧外衣,还有一件怪模 怪样的孕妇服似的衬衫。
    哈利走近男孩身边。斯内普看上去约莫九到十岁,脸色灰 黄,个头矮小,体格精瘦。注视着较小的那个女孩在秋千上比那个大的越荡越高,他瘦瘦的脸上露 出了不加掩饰的渴慕。
    “莉莉,别这样!”较大的女孩尖叫道。
    可是,小女孩在秋千荡到最高处时松开手飞到空中,真的 是在飞,欢声大笑着扑向天空。她并没有重重地摔在游戏场的柏油地上,而是像杂技演员一样在空 中滑翔,停留了很长时间,最后十分轻盈地落在地上。
    “妈妈叫你别这么做!”
    佩妮让鞋跟擦地停住秋千,发出尖厉刺耳的摩擦声,然后 她又跳了起来,双手叉腰。
    “妈妈说不许你这样,莉莉!”
    “可是我没事儿,”莉莉说,还在咯咯笑着,“佩妮,看 看这个。看我的本事。”
    佩妮看了看四周,空荡荡的游戏场里只有她们俩,当然还 有斯内普,不过女孩们并不知道。莉莉从斯内普藏身的灌木丛里捡起一朵枯落的花。佩妮走了上来 ,看上去既好奇又不满,内心十分矛盾。莉莉等佩妮走近可以看清了,就把手摊开来,花瓣在她手心里 不停地一开一合,就像某种古怪的、多层的牡蛎。

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07/06 18:51