日语学习网
第35章 キングズ・クロス King's Cross(2)_ハリー・ポッターと死の秘宝_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3337

そのとき、ハリーの周囲の、まだ形のない無の中から物音が聞こえてきた。軽いトントンという音で、何かが手足をバタつかせ、振り回し、もがいている。哀あわれを誘う物音だったが、同時にやや猥雑わいざつな音だった。ハリーは、何か恥はずかしい秘密の音を盗み聞きしているような、居心地の悪さを感じた。

ハリーは、急に何かを身にまといたいと思った。

頭の中でそう願ったとたん、ローブがすぐ近くに現れた。ハリーはそれを引き寄せて身にまとった。柔らかく清潔せいけつで温かかった。驚くべき現れ方だ。ほしいと思ったとたんに、さっと……。

ハリーは立ち上がって、あたりを見回した。どこか大きな「必要ひつようの部へ屋や」の中にいるのだろうか 眺ながめているうちに、だんだん目に入るものが増えてきた。頭上には大きなドーム型のガラス天井が、陽光ようこうの中で輝いている。宮殿かもしれない。すべてが静かで動かない。ただ、バタバタという奇妙きみょうな音と哀れっぽく訴うったえるような音が、靄の中の、どこか近くから聞こえてくるだけだ……。

ハリーはゆっくりとその場でひと回りした。ハリーの動きにつれて、目の前で周囲がひとりでに形作られていくようだった。明るく清潔で、広々とした開放的な空間、「大おお広ひろ間ま」よりずっと大きいホール、それにドーム型の透明とうめいなガラスの天井。まったく誰もいない。そこにいるのはハリーただ一人。ただし――。

ハリーはびくりと身を引いた。音を出しているものを見つけたのだ。小さな裸はだかの子どもの形をしたものが、地面の上に丸まっている。肌はだは皮を剥はがれでもしたようにザラザラと生々しく、誰からも望まれずに椅い子すの下に置き去りにされ、目につかないように押し込まれて、必死に息をしながら震えている。

ハリーは、それが怖こわいと思った。小さくて弱々しく傷きずついているのに、ハリーはそれに近寄りたくなかった。にもかかわらずハリーは、いつでも跳び退すされるように身構えながら、ゆっくりとそれに近づいていった。やがてハリーは、それに触ふれられるほど近くに立っていたが、とても触れる気にはなれなかった。自分が臆おく病びょう者ものになったような気がした。慰なぐさめてやらなければならないと思いながらも、それを見ると虫唾むしずが走った。

「きみには、どうしてやることもできん」

ハリーはくるりと振り向いた。アルバス・ダンブルドアが、ハリーに向かって歩いてくる。流れるような濃紺のうこんのローブをまとい、背筋を伸ばして軽快な足取りでやって来る。

「ハリー」

ダンブルドアは両腕を広げた。手は両方とも白く完全で、無傷だった。

「なんとすばらしい子じゃ。なんと勇敢ゆうかんな男じゃ。さあ、一緒いっしょに歩こうぞ」


    他站了起来,环顾四周。他是在一间很大的有求必应屋里吗?他越看越发现可看的东西很多。一个巨大的圆形玻璃屋顶 ,在他头顶高处的阳光里闪闪发亮。也许这是个宫殿。四下里 一片静谧,只有那古怪的撞击声和呜咽声,从近旁的薄雾中传 来……
    哈利在原地慢慢转身,周围的景物似乎在眼前幻化出来。 一大片辽阔的空间,明亮、干净,一个比大礼堂大得多的大厅 ,上面是那个明净的玻璃圆顶。大厅里空空的,只有他一个人 ,除了——
    他退缩了。他看见了那个发出声音的东西。那东西的形状 是个光身子的小孩,蜷缩在地上,红红的皮肤很粗糙,看着像 被剥了一层皮,瑟瑟发抖地躺在一个座位下面,被人丢弃了, 被人胡乱地塞在那里,正在挣扎着呼吸。
    哈利很害怕。那东西虽然娇小、羸弱,还受了伤,他却不 愿意靠近它。不过他还是一点点地挪了过去,随时准备抽身而 退。很快,他就近到能碰到它了,但他没有勇气这么做。他觉 得自己像个懦夫。他应该去安慰它,可是那东西令他反感。
    “你帮不了。”
    哈利猛地转过身,阿不思。邓布利多正朝他走来,他腰板 挺直,脚步轻快,穿着一件飘逸的深蓝色长袍。
    “哈利。”他张开怀抱,两只手都白白的,完好无损,“ 你这个出色的孩子。你这个勇敢的、勇敢的男子汉。我们走吧 。”

分享到:

顶部
11/25 03:39