「俺様を凌しのぐ魔法を、おまえが知っていると言うのか」ヴォルデモートが言った。「この俺様を、ヴォルデモート卿きょうを凌ぐと ダンブルドアでさえ夢想だにしなかった魔法を行った、この俺様をか」
「いいや、ダンブルドアは夢見た」ハリーが言った。「しかしダンブルドアは、おまえより多くのことを知っていた。知っていたから、おまえのやったようなことはしなかった」
「つまり、弱かったということだ」
ヴォルデモートが甲かん高だかく叫さけんだ。
「弱いが故ゆえに、できなかったのだ。弱いが故に、自分の掌握しょうあくできたはずのものを、そして俺様が手にしようとしているものを手に入れられなかっただけのことだ」
「違う。ダンブルドアはおまえより賢けん明めいだった」ハリーが言った。「魔法使いとしても、人間としても、より優れていた」
「俺様が、アルバス?ダンブルドアに死をもたらした」
「おまえが、そう思い込んだだけだ」ハリーが言った。「しかし、おまえは間違っていた」
見守る群衆が、初めて身動きした。壁かべ際ぎわの何百人がいっせいに息を呑のんだ。
「ダンブルドアは死んだ」
ヴォルデモートは、ハリーに向かってその言葉を投げつけた。その言葉が、ハリーに耐たえ難い苦痛を与えるとでもいうように。
「あいつの骸むくろはこの城の校庭の、大だい理り石せきの墓の中で朽くちている。俺様はそれを見たのだ、ポッター。あいつは戻ってはこぬ」
「そうだ。ダンブルドアは死んだ」ハリーは落ち着いて言った。「しかし、おまえの命令で殺されたのではない。ダンブルドアは、自分の死に方を選んだのだ。死ぬ何か月も前に選んだのだ。おまえが自分の下僕しもべだと思っていたある男と、すべてを示し合わせていた」
「何たる子ども騙だましの夢だ」
そう言いながらも、ヴォルデモートはまだ攻こう撃げきしようとはせず、赤い眼めはハリーの目をとらえたまま離はなさなかった。
「セブルス?スネイプは、おまえのものではなかった」ハリーが言った。「スネイプはダンブルドアのものだった。おまえが僕の母を追いはじめたときから、ダンブルドアのものだった。おまえは、一度もそれに気づかなかった。それは、おまえが理解できないもののせいだ。リドル、おまえは、スネイプが守しゅ護ご霊れいを呼び出すのを見たことがなかっただろう」
ヴォルデモートは答えなかった。二人は、いまにも互いを引き裂さこうとする二頭の狼のように回り続けた。
“你以为你会的魔法比我还多?”他说,“比我——伏地 魔大人还多?我施过的魔法,邓布利多连做梦都没有想到过! ”
“哦,他想到过,”哈利说,“但他比明智,没有去干你 干的那些事情。”
“你是说他软弱!”伏地魔尖叫着说,“他软弱,没有胆 量,他软弱,不敢拿走本该属于他——现在将属于我了!”
“不,他比你聪明,”哈利说,“是个更优秀的巫师,更 优秀的男人。”
“我把阿不思·邓布利多弄死了!”
“你以为是这样,”哈利说,“可是你错了。”
围观的人群里第一次骚动起来,墙边的几百个人同时吸了 一口气。
“邓布利多死了!”伏地魔把这句话狠狠地掷向哈利,就 好像它能给哈利带来无法忍受的痛苦,“他的尸体正在这座城 堡荒地上的大理石坟墓里腐烂,我看到了,波特,他再也不会 回来了!”
“是的,邓布利多死了,”哈利平静地说,“但并不是你 安排的。他自己选择了死亡的方式,在死前几个月就选择了, 他和那个你认为是你仆人的人共同安排好了一切。”
“多么幼稚可笑的梦话!”伏地魔说,但他仍然没有出击 ,那双红眼睛死死地盯着哈利的眼睛。
“西弗勒斯·斯内普不是你的人,”哈利说,“斯内普是 邓布利多的人,从早在你开始追捕我母亲那时候起,他就是邓 布利多的人。你一直没有发现,因为那种事情你不理解。你从 来没见过斯内普的守护神吧,里德尔?”
伏地魔没有回答。他们继续对峙着转圈,像两匹随时准备 把对方撕成碎片的狼。