「スネイプの守護霊は牝鹿めじかだ」ハリーが言った。「僕の母と同じだ。スネイプは子どものころからほとんど全ぜん生しょう涯がいをかけて、ぼくの母を愛したからだ。それに気づくべきだったな」
ヴォルデモートの鼻の穴がふくらむのを見ながら、ハリーが言った。
「スネイプは、僕の母の命乞いのちごいをしただろう」
「スネイプは、あの女がほしかった。それだけだ」
ヴォルデモートがせせら笑った。
「しかし、あの女が死んでからは、女はほかにもいるし、より純血じゅんけつの、より自分にふさわしい女がいると認めた――」
「もちろん、スネイプはおまえにそう言った」ハリーが言った。「しかし、スネイプは、おまえが母を脅おびやかしたその瞬間しゅんかんから、ダンブルドアのスパイになった。そして、それ以来ずっと、おまえに背そむいて仕事をしてきたんだ ダンブルドアは、スネイプが止とどめを刺す前に、もう死んでいたのだ」
「どうでもよいことだ」
一言一言を、魅み入いられたように聞いていたヴォルデモートは、甲かん高だかく叫さけんで狂ったように高笑いした。
「スネイプが俺おれ様さまのものかダンブルドアのものかなど、どうでもよいことだ。俺様の行く手に、二人がどんなつまらぬ邪じゃ魔ま物ものを置こうとしたかも問題ではない 俺様はそのすべてを破は壊かいした。スネイプが偉大なる愛を捧ささげたとかいう、おまえの母親を破壊したと同様にだ ああ、しかし、これですべてが腑ふに落ちる、ポッター、おまえには理解できぬ形でな」
「ダンブルドアは、ニワトコの杖つえを俺様から遠ざけようとした あいつは、スネイプが杖の真の持ち主になるように図った しかし、小僧こぞう、俺様のほうが一足早かった――おまえが杖に手を触ふれる前に俺様が杖にたどり着いたし、おまえが真実に追いつく前に俺様が真実を理解したのだ。俺様は三時間前に、セブルス?スネイプを殺した。そして、ニワトコの杖、死の杖、宿命しゅくめいの杖は、真に俺様のものになった ダンブルドアの最後の謀はかりごとは、ハリー?ポッター、失敗に終わったのだ」
「ああ、そのとおりだ」
ハリーが言った。
「おまえの言うとおりだ。しかし、僕を殺そうとする前に忠告ちゅうこくしておこう。自分がこれまでにしてきたことを、考えてみたらどうだ……考えるんだ。リドル、そして、少しは悔くい改めてみろ……」
「何を戯たわけたことを」
ハリーがこれまで言ったどんな言葉より、どんな思いがけない事実や嘲あざけりより、これほどヴォルデモートを驚愕きょうがくさせた言葉はなかった。ハリーは、ヴォルデモートの瞳どう孔こうが縮んで縦長の細い切れ眼めになり、眼の周りの皮ひ膚ふが白くなるのを見た。
“斯内普的守护神是—头牝鹿,”哈利说,“和我母亲的 一样,因为他几乎爱了她一辈子,从他们孩提时代就开始了。 其实你应该发现的,”他看到伏地魔的鼻孔突然张开了,又说 道,“他请求你饶我母亲一命,是不是?”
“他渴望得到她,仅此而已,”伏地魔冷笑着说,“但她 死后,斯内普承认世上还有其他女人,血统更纯,更配得上他 ——”
“他当然会跟你这么说。”哈利说,“但是从你威胁我母 亲的那时候起,他就是邓布利多的密探了,后来一直在反对你 !邓布利多已经奄奄一息时,斯内普才结束了他的生命。”
“那不重要!”伏地魔尖叫道,他全神贯注地听着哈利说 的每一个字,这时突然发出一串疯狂的大笑,“斯内普是我的 人还是邓布利多的人,他们想在我的路上设置什么小小的绊脚 石,统统都不重要!我摧毁了他们,就像摧毁你的母亲——斯 内普的所谓伟大的爱一样!哦,不过这倒说明了问题,波特, 但你是不会懂的!”
“邓布利多阻挠我得到老魔杖!他想让斯内普成为老魔杖 的真正主人!但是我抢在了你的前面,小毛孩儿——没等你下 手,我就拿到了魔杖,没等你醒过味来,我就明白了真相。三 小时前我杀死了西弗勒斯·斯内普,现在,老魔杖、死亡棒、 命运杖真正属于我了!邓布利多的最后一个计划泡汤了,哈利 ·波特!”
“对,没错,”哈利说,“你说得对,但是在你动手杀我 之前,我建议你想一想你的所作所为……好好想一想,试着做 一些忏悔,里德尔……”
“这话是什么意思?”
哈利对伏地魔说的所有的话,包括揭露真相的话和冷嘲热 讽的话,没有一句让伏地魔这样震惊。哈利看到他的瞳孔缩成 了两条窄窄的细缝,看见他眼睛周围的皮肤变白了。