「最後のチャンスだ」ハリーが言った。「おまえには、それしか残された道はない……さもないと、おまえがどんな姿になるか、僕は見た……勇気を出せ……努力するんだ……少しでも後悔してみるんだ……」
「よくもそんなことを――」ヴォルデモートがまた言った。
「ああ、言ってやるとも」ハリーが言った。
「いいか、リドル。ダンブルドアの最後の計画が失敗したことは、僕にとって裏目うらめに出たわけじゃない。おまえにとって裏目に出ただけだ」
ニワトコの杖つえを握るヴォルデモートの手が震えていた。そしてハリーは、ドラコの杖をいっそう固く握りしめた。その瞬間しゅんかんがもう数秒後に迫せまっていることを、ハリーは感じた。
「その杖はまだ、おまえにとっては本来の機能を果たしていない。なぜなら、おまえが殺す相手を間違えたからだ。セブルス?スネイプが、ニワトコの杖の真の所有者だったことはない。スネイプが、ダンブルドアを打ち負かしたのではない」
「スネイプが殺した――」
「聞いていないのか スネイプはダンブルドアを打ち負かしてはいない ダンブルドアの死は、二人の間で計画されていたことなんだ ダンブルドアは、杖の最後の真の所有者として敗北せずに死ぬつもりだった すべてが計画どおりに運んでいたら、杖の魔力はダンブルドアとともに死ぬはずだった。なぜなら、ダンブルドアから杖を勝ち取る者は、誰もいないからだ」
「それなら、ポッター、ダンブルドアは俺おれ様さまに杖をくれたも同然だ」
ヴォルデモートの声は、邪じゃ悪あくな喜びで震えていた。
「俺様は、最後の所有者の墓から、杖を盗み出した 最後の所有者の望みに反して、杖を奪うばった 杖の力は俺様のものだ」
「まだわかっていないらしいな、リドル 杖を所有するだけでは十分ではない 杖を持って使うだけでは、杖は本当におまえのものにはならない。ァ£バンダーの話を聞かなかったのか 杖は魔法使いを選ぶ……ニワトコの杖は、ダンブルドアが死ぬ前に新しい持ち主を認識した。その杖に一度も触ふれたことさえない者だ。新しい主人は、ダンブルドアの意思に反して杖を奪うばった。その実、自分が何をしたのかに一度も気づかずに。この世で最も危険な杖が、自分に忠誠ちゅうせいを捧ささげたとも知らずに……」
ヴォルデモートの胸は激はげしく波打っていた。ハリーは、いまにも呪のろいが飛んでくることを感じ取っていた。自分の顔を狙ねらっている杖つえの中に、次第に高まっているものを感じていた。
“这是你最后的机会,”哈利说,“你仅有的机会……我 见过你不忏悔的下场……勇敢点……试一试……试着做些忏悔 ……”
“你竟敢——?”伏地魔又说。
“是的,我敢,”哈利说,“因为邓布利多最后的计划对 我根本没有造成意外的结果,而对于你却造成了,里德尔。”
伏地魔握着老魔杖的手在颤抖,哈利紧紧地攥住德拉科的 魔杖。他知道那一刻就要来临了。
“那根魔杖仍然不会完全听你的指挥,因为你杀错了人。 西弗勒斯·斯内普根本不是老魔杖的真正主人,他根本没有打 败邓布利多。”
“他杀死了——”
“你没听我说吗?斯内普根本没有打败邓布利多!邓布利 多的死是他们共同策划的!邓布利多计划不败而死,成为魔杖 的最后一位真正主人!如果一切都按计划进行,魔杖的力量应 该随他消亡,因为没有人从他手里赢得魔杖!”
“可是,波特,邓布利多等于把魔杖给了我!”伏地魔的 声音因恶意的快咸而颤抖,“我把魔杖从它最后一位主人的坟 墓偷了出来!我违背它最后一位主人的意愿把它拿了出来!它 的力量属于我!”
“你还是没听明白吗,里德尔?拥有魔杖是不够的!拿着 它,使用它,并不能让它真正成为你的。你没听见奥利凡德的 话吗?魔杖选择巫师……邓布利多死之前,老魔杖就认了一位 新主人,而那个人连摸都没有摸过它。新主人违背邓布利多的 意愿除去了他手中的魔杖,他根本不知道自己做了什么,不知 道世界上最厉害的魔杖已为他效忠……”
伏地魔的胸膛在激烈地起伏,哈利可以感觉到咒语冲了上 来,感觉到咒语在指向他面门的魔杖里聚集力量。