「ニワトコの杖の真の主人あるじは、ドラコ?マルフォイだった」
ヴォルデモートの顔が、衝撃しょうげきで一いっ瞬しゅん呆ぼう然ぜんとなった。しかし、それもすぐに消えた。
「それが、どうだというのだ」
ヴォルデモートは静かに言った。
「おまえが正しいとしても、ポッター、おまえにも俺おれ様さまにも何ら変わりはない。おまえにはもう不ふ死し鳥ちょうの杖はない。我々は技だけで決けっ闘とうする……そして、おまえを殺してから、俺様はドラコ?マルフォイを始末する……」
「遅すぎたな」
ハリーが言った。
「おまえは機会を逸いっした。僕が先にやってしまった。何週間も前に、僕はドラコを打ち負かした。この杖はドラコから奪うばった物だ」
ハリーは、サンザシの杖をピクピク動かした。大おお広ひろ間まの目という目が、その杖に注がれるのをハリーは感じた。
「要するに、すべてはこの一点にかかっている。違うか」
ハリーは囁ささやくように言った。
「おまえの手にあるその杖が、最後の所有者が『武ぶ装そう解除かいじょ』されたことを知っているかどうかだ。もし知っていれば……ニワトコの杖の真の所有者は、僕だ」
二人の頭上の、魔法で空を模もした天井に、突とつ如じょ、茜色あかねいろと金こん色じきの光が広がり、いちばん近い窓の向こうに眩まぶしい太陽の先せん端たんが顔を出した。光は同時に二人の顔に当たった。ヴォルデモートの顔が、突然ぼやけた炎のようになった。ヴォルデモートの甲かん高だかい叫さけびを聞くと同時に、ハリーはドラコの杖で狙ねらいを定め、天に向かって一いっ心しん込こめて叫んでいた。
「アバダ ケダブラ」
「エクスペリアームス」
“老魔杖的真正主人是德拉科·马尔福。”
伏地魔的脸上露出茫然的惊愕,但转瞬即逝。
“可那有什么关系呢?”他轻声说,“即使你说得对,波 特,对你我来说又有什么关系?你不再拿着那根凤凰羽毛魔杖 :我们只凭技艺决斗……等我杀了你,再去对付德拉科·马尔福的……”
“可是你来不及了,”哈利说,“你错过了机会。我抢先 了一步,几个星期前我打败了德拉科·马尔福,这根魔杖是我 从他手里夺来的。”
哈利抖了抖山楂木魔杖,感觉到礼堂里所有的目光都盯在 它上面。
“所以,最后的结果是这样,对吗?”哈利小声说:“你 手里的魔杖是否知道他最后一位主人被解除了武器?如果它知 道……现在我才是老魔杖的真正主人。”
突然,头顶上的魔法天空爆出一道金红色的光,离他们最 近的窗台上露出小半轮耀眼的太阳。阳光同时照到他们两人脸 上,伏地魔的脸颊时火红一片。哈利听见伏地魔高亢的声音在 尖叫,而他也同时举起了德拉科的魔杖,朝天空喊出了他最热 切的希望:
“阿瓦达索命!”
“除你武器!”