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じょうなんだいがくびょういん しんさつしつ l 常南大学病院の診察室
谷口:骨に異常はありませんし、まっ1週間もすれば傷口もふさがるでしょ。
潮香: 。はぁ あの先生、ちょっと気になることがあるんです。普通人が倒れるときっていうのはこうとっさに手が出ますよね?谷口: 。ええ
潮香:でも娘には手には擦り傷一つなくて直接顔をぶつけてるんです。
谷口:えっ?
潮香:おかしいですよね?あっ それに、 最近よく物を落とすしお箸で食べ物をうまくつかめなかったりするんです。
l 大学病院常南の廊下
斗遥:じゃあな。
亜也:合唱コンクールの曲考えといてね。
斗遥:決めてよ、何でもいいから。
亜也:何でもいいって何かあるでしょ?明るい曲がいいとかこんなテーマ曲がいいとか。
斗遥:別に、俺何の欲もないし。
あや
亜也:えっ?
斗遥:だから何でもいいの、文句も言わないし。人間ってさ、欲張りだと思わない?
あや
亜也:そうかな?
斗遥:動物も植物も生まれたときから自分の命寿を知ってんだよな。人間だけだよ、欲張って余分に生きようとするのは。
亜也:やっぱ変わってる。
潮香:亜也。
亜也: 、あっ お母さん。
潮香: 、ねえ いい機会だからさちょっと査検してもらおうよ。
亜也:査検? l 亜也の家
瑞生:潮香のヤツ、何で電話してこないんだよ。