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逆ぎゃく接せつ・譲じょう歩ほ
前まえの文ぶんの事こと柄がらから考かんがえて当とう然ぜんとはいえないことを言
いいたいとき
★3
1 ~といっても
★2
2 ~ながら
3 ~つつ・~つつも
4 ~くせに・~くせして
5 ~ものの・~とはいうものの
6 ~にもかかわらず
7 ~からといって
8 ~にしても・~にしろ・~にせよ
★1
9 ~ながらも
10 ~ものを
11 ~ところを
12 ~とはいえ
13 ~といえども
14 ~と思いきや
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1 ~といっても ★3
【~というけれども、実じつは】
①わたしの住すんでいるマンションのとなりに公こう園えんがあります。公園といっても
普ふ通つうのうちの庭にわのように小さなものです。
②授じゅ業ぎょう料りょうは高いといってもわたしに払はらえないほど高くはなかった。
③家うちでは家か族ぞくみんながよく集あつまっていっしょに過すごします。いっしょに
といっても、テレビを見るだけなんですが。
④わたしはフランス語がわかるといっても料りょう理りの言こと葉ばだけなんです。
接続 N/普ふ通つう形けい+といっても
▶「~といっても、…」の形かたちで「~から想そう像ぞうするものとちがって、実じつは…だ」と説せつ明めいすると
きの言いい方かた。
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2 ~ながら ★2
【~のに/~だが】
①田た中なかさん一いっ家かはお金がありながら、とても地じ味みに暮くらしている。
②わたしは40歳さいのときに、小さいながら自分の家を持つことができた。
③残ざん念ねんながら日本の代だい表ひょうチームは負まけてしまった。
④太た郎ろうは子どもながらもしっかりした考かんがえを持っている。
⑤1歳さいのケンはゆっくりながらも、自分で歩けるようになった。
⑥彼かれらは貧まずしいながらも、互たがいに助たすけ合あって心こころ豊ゆたかな生せ
い活かつをしていた。
接続 Vます/イAい/ナA・ナAであり/N・Nであり+ながら・ながらも
▶1)「~ながら…」の形かたちで、「~から想そう像ぞうされることとは違ちがって、実じっ際さいは…」と言いたい
ときに使う。「~」には状じょう態たい性せい動どう詞し・「Vている」・形けい容よう詞し・名めい詞しなどが来
る。⑤のように副ふく詞しにつくこともある。
2)「~ながらも」は「~ながら」より硬かたい表ひょう現げん。
→23課かⅡ・5「~ながら(に)・~ながらの」
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3 ~つつ・~つつも ★2 W
【~ているが】
①マリはダイエット中だと言いつつ、甘あまいものを見ると買ってくる。
②早くお金を払はらい込こまなければと思いつつ、遅おそくなってしまいました。
③悪いと知りつつも、拾ひろった5,000円を警けい察さつに届とどけずに使ってしまった。
④春はる子こが元気がないことが気になりつつも、忙いそがしかったので、何も聞かずに
帰ってきてしまった。
接続 Vます+つつ
▶1)「Vつつ・Vつつも」の形かたちで、「Vているけれども」という逆ぎゃく接せつの意味を表あらわす。話わ者しゃ
が後こう悔かいしたり告こく白はくしたりする場ば合あいに使われることが多い。
2)慣かん用よう表ひょう現げんが多い。例れい文ぶんの例れいのほかに「感かんじつつ・理り解かいしつつ」などが
よく使われる。
→7課か2「~つつ」
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4 ~くせに・~くせして ★2
【~のに】
①彼かれは本ほん当とうのことを知っているくせに、わたしに教えてくれない。
②今度この会に入った人は、新しん人じんのくせに先せん輩ぱいにあいさつもしない。
③あの人はお金もないくせに、ブランドものを買う話はなしばかりする。
④ほかの人のことをバカにするもんじゃないよ。自分は何もできないくせして。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな・ナAである/Nの・Nである)+くせに
▶1)人の悪わるい点てんを非ひ難なんしたり軽けい蔑べつしたりする気持ち、意い外がいな気持ちや不ふ満まんを表あら
わすときに使う。「~くせに」の前ぜん後ごの文ぶんは主しゅ語ごが同おなじ。
2)④の「~くせして」にはくだけた会話の感かんじがある。
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5 ~ものの・~とはいうものの ★2
【~だが、しかし】
①祖そ父ふは元気ではあるものの、居い眠ねむりをしている時間が多くなってきた。
②えりに毛け皮がわのついたコートを買ったものの、暖だん冬とうなので着ていく機き会
かいがほとんどない。
③彼かれは「やります」とは言いったものの、実じっ際さいにはできないのではないか。
④暦こよみの上では春とはいうものの、まだまだ寒さむい日ひが続つづく。
⑤20歳はたちをこえているとはいうものの、彼かの女じょは考え方もすることもまだ幼お
さない。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな・ナAである/Nである)+ものの N/普通形+とはいう
ものの
▶「~の事こと柄がらは一いち応おう認みとめるが、実じっ際さいはそのことから想そう像ぞうされる通りにはいかな
い」という意味に使う。
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6 ~にもかかわらず ★2
【~のに】
①家族が反はん対たいしたにもかかわらず、彼かれは家族をおいてフランスへ料理の修
しゅ業ぎょうに行ってしまった。
②本ほん日じつは悪あく天てん候こうにもかかわらず、このように大おお勢ぜいの方か
た々がたがお集まりくださいましてありがとうございます。
③忙いそがしい日にっ程ていであるにもかかわらず、大だい臣じんは人ひと々びととの直
ちょく接せつ対たい話わを強く望のぞんだ。
接続 N/普ふ通つう形けい(ナAである/Nである)+にもかかわらず
▶「~にもかかわらず、…」の形かたちで「~の事じ態たいから予よ想そうされることとは違ちがった…という結けっ果
かになる」と言いたいときの表ひょう現げん。話わ者しゃの驚おどろき・意い外がい・不ふ満まん・非ひ難なんなどの
気持ちを表あらわす文ぶんが多い。
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7 ~からといって ★2
【~ということから当とう然ぜん考えられることとは違ちがって】
①大学を出たからといって、教きょう養ようがあるとは限かぎらない。
②田た中なかさんがフランスに3年いたからといって、フランスのことに詳くわしいわけ
ではない。
③おいしいからといって、きりがなく食べたらおなかをこわしますよ。
④好すきだからって、肉ばかり食べちゃだめだよ。野や菜さいも食べなきゃ。
⑤「先生に聞いてみたら」
「先生だからって、わかるとは限かぎらないよ」
接続 普ふ通つう形けい+からといって
▶1)「~という理り由ゆうから考えられることとは違ちがって」という意い味みを表あらわす。話わ者しゃの判はん断
だん・批ひ判はんを言うときによく使う。
2)文ぶん末まつには「~とは限かぎらない・~わけではない・~というわけではない」などの部ぶ分ぶん否ひ定てい
の言い方が来ることが多い。
3)くだけた会話では④⑤のように「~からって」を使う。
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8 ~にしても・~にしろ・~にせよ ★2
【~のはわかるが、しかし】
①いくら忙いそがしかったにしても、携けい帯たいにメールをするくらいできただろう。
どうして彼かれは外国へ行くことをわたしに知らせてくれなかったのだろうか。
②電車の事じ故こがあったにしろ、約やく束そくの時間に遅おくれたのだから、ひとこと
謝あやまった方がいい。
③今度の爆ばく発はつ事じ件けんとは関かん係けいなかったにしろ、あの人たちが危あぶ
ないことをしているのは確たしかだ。
④田た中なかさんほどでないにせよ、山やま本もとさんだってよく遅おくれてくる。
⑤いくら無む料りょうにしたって、あんなつまらないものを見せるとはひどい。見るだけ
時間の無む駄だだ。
接続 N/普ふ通つう形けい(ナAである/Nである)+にしても
▶1)「~にしても…」の形かたちで「~はわかるが、しかし…」と言う譲じょう歩ほの言い方。「…」には話わ者しゃ
の意見・不ふ審しんや納なっ得とくできない気き持もち・非ひ難なん・判はん断だん・評ひょう価かの言こと葉ばが
来ることが多い。
2)①のように「いくら・どんなに」などの疑ぎ問もん詞しとともに使われることもある。
3)「~にしろ・~にせよ」は「~にしても」より硬かたい表ひょう現げん。
4)くだけた話はなし言葉では⑤のように「~にしたって」となる。
→15課か2「~にしても~にしても」/15課4「~にしろ~にしろ・~にせよ~にせよ」/21課3「~にして
も・~にしろ・~にせよ」
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9 ~ながらも ★1
【~のに/~だが】
▶2「~ながら」と意味・用よう法ほうが大体同じ。
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10 ~ものを ★1
【~のに】
①電車に乗のれば早く着いたものを、タクシーに乗ったから渋じゅう滞たいに巻まき込こ
まれ、かえって遅おそくなってしまった。
②寒さむい日にジョギングなんかしなければいいものを、無む理りをするからかぜをひい
たんです。
③夏休みのはじめに宿しゅく題だいをやっておけばよかったものを。今になって後こう悔
かいしても遅おそい。
④今ならいい薬くすりもある。兄もあと10年生きていれば、命いのちを落おとすこともな
かったものを。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな)+ものを(Nにつく形かたちはない)
▶1)期き待たいとは違ちがってしまった現げん実じつを悔くやんだり、不ふ満まんに思ったりしたときに使う。
2)不ふ審しん・不満・恨うらみ・非ひ難なん・後こう悔かいなどの気持ちを込こめて言うことが多い。
3)③④のように、後あとの文ぶんが省しょう略りゃくされる場ば合あいもある。
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11 ~ところを ★1
【~のに/~だったのに】
①お忙いそがしいところをわざわざお出でかけくださり、ありがとうございました。
②知しらん顔かおをしていてもいいところを、田た中なかさんは「わたしがやりました」
と自分から正しょう直じきに言いった。
③お休みのところを、おじゃまいたしました。
接続 普ふ通つう形けい(ナAな/Nの)+ところを
▶「~という状じょう況きょうなのに…した」と言いたいとき、相あい手ての状況を配はい慮りょして言うときによく使
う表ひょう現げん。①③のように慣かん用よう的てきな表現が多い。ほかに「ご多た忙ぼうのところを・お楽しみのと
ころを」などの例れいがある。
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12 ~とはいえ ★1
【~けれども/~といっても】
①景けい気きが悪いとはいえ、歳さい末まつだからか人の集まるところはきれいに飾かざ
られている。
②親したしい友とはいえ、ある程てい度どの礼れい儀ぎと遠えん慮りょが必ひつ要よう
だ。
③教きょう授じゅのおっしゃることとはいえ、わたしには本ほん当とうのこととは思えな
い。
④秋になったとはいえ、日にっ中ちゅうはまだ暑あつい。
接続 N/普ふ通つう形けい+とはいえ
▶「~」から受うける印いん象しょうや特とく徴ちょうの一いち部ぶを否ひ定ていして実じっ際さいのことを説せつ明め
いする表ひょう現げん。ふつう、後あとの文ぶんには話わ者しゃの意見・判はん断だんなどが来ることが多い。
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13 ~といえども ★1 W
【~であっても/といっても】
①面めん会かい謝しゃ絶ぜつであるから、親しん友ゆうといえども会うことはできない。
②副ふく主しゅ任にんといえども、監かん督とく者しゃなら事じ故この責せき任にんは逃
のがれられない。
③大だい臣じんといえども、法ほうを犯おかした場ば合あいは裁さばきを受うけなければ
ならない。
接続 N/普ふ通つう形けい+といえども
▶極きょく端たんな立たち場ばの人やものや場合を取とり上あげ、「~であっても・~といっても」と言って、「~」から
受うける特とく徴ちょうや印いん象しょうに反はんすることを述のべるときの表ひょう現げん。硬かたい言こと葉ば。
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14 ~と思いきや ★1
【~かと思ったが、そうではなく】
①実じつ力りょくから言って、日本チームは負まけると思いきや、なんと勝かってしまっ
た。
②成せい績せきから見て、弟はA大学には合ごう格かくできると思いきや、落おちてしまっ
た。
③彼かれは医者の息むす子こだから医者になると思いきや、漫まん画が家かになった。
接続 ▶2)参さん照しょう
▶1)「普ふ通つうに予よ想そうすると~だが、この場ば合あいは~ではなかった」と意い外がいな気持ちを表あらわす。
2)引いん用ようの「と」で受うけるので、前まえにはさまざまな形かたちが来る。
3)やや古い感かんじの表ひょう現げんだが、軽けい妙みょうに言い表あらわす場ば合あいに使われることが多く、公
こう式しきの文ぶんや論ろん文ぶんなどの硬かたい文ぶん章しょうには使われない。