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不ふ可か能のう・可能・困こん難なん・容よう易い
ある事じ情じょうによりそのことができない・できる・むずかしい・やさしいと言い
いたいとき
★3
1 ~わけにはいかない
2 ~ようがない・~ようもない
★2
3 ~がたい
4 ~かねる
5 ~得うる・~得えない
★1
6 ~ようにも~ない
7 ~に足たる
8 ~にたえる・~にたえない
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1 ~わけにはいかない ★3
【~できない】
①あしたは試し験けんがあるから、今日は遊あそんでいるわけにはいかない。
②これは亡なくなった友ゆう人じんがくれた大たい切せつなもので、あげるわけにはいか
ないんです。
③「そろそろ帰かえりませんか」
「大だい事じな話があって課か長ちょうを待まっているので、帰るわけにはいかないん
ですよ」
④明あ日すは会かい社しゃの面めん接せつ試験だ。ぜったいに遅ち刻こくするわけにはい
かない。
接続 Vる+わけにはいかない
▶「したい気き持もちはあるが、社しゃ会かい的てきな通つう念ねんや常じょう識しきから考かんがえて、また、心しん
理り的てきな理り由ゆうがあってできない」と言いいたいときに使つかう。「能のう力りょく的てきに、または規き則
そくでできない」という意い味みでは使わない。
╳係かかりの人「ここは立たち入いり禁きん止しですから、入るわけにはいきません」
◯通つう行こう人にん「立ち入り禁止か。じゃ、入るわけにはいかないな」
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2 ~ようがない・~ようもない ★3
【~できない】
①あの人の住じゅう所しょも電でん話わ番ばん号ごうもわからないのですから、連れん絡
らくのしようがありません。
②この時と計けいは古ふるくてもう部ぶ品ひんがないから、直なおしようがない。
③森もり田たさんの山の家いえは、バスも通とおっていないから、車がないと行きようが
ないらしい。
④社しゃ員いんはやる気があるのだが、会かい社しゃの方ほう針しんが変かわらないのだ
からどうしようもない。
接続 Vます+ようがない
▶「そうしたいが、その手しゅ段だん・方ほう法ほうがなくてできない」、または「どんな方法でも無む理りだ」と言いい
たいときに使つかう。「よう」は「様よう」で、「方法」の意い味みである。
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3 ~がたい ★2
【~するのは難むずかしい】
①あの元気なひろしが病気になるなんて信しんじがたいことです。
②弱よわい者をいじめるとは許ゆるしがたい行こう為いだ。
③南の国から来たポンさんは、初はじめての日に本ほんの冬が耐たえがたかったらしく、
国へ帰ってしまった。
接続 Vます+がたい
▶1)「そうすることは難むずかしい・不ふ可か能のうだ」という意味。やや古い言いい方かた。
2)「信しんじる・許ゆるす・理り解かいする・想そう像ぞうする・受うけ入いれる」などの動どう詞しとともによく
使われる。
3)「能のう力りょく的てきにできない」という意味では使わない。
╳わたしにはパソコンは難しくて、使いがたいです。
╳まだけがが治なおっていないので、長い時間は歩きがたい。
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4 ~かねる ★2
【~できない】
①課か長ちょうに残ざん業ぎょうを頼たのまれて、断ことわりかねて10時まで働はたらい
た。
②そろそろ就しゅう職しょく活かつ動どうを始めるんですが、IT関かん係けいの会社にす
るか、マスコミ関係の会社にするか、決きめかねています。
③客きゃく「ホンコン行きの飛ひ行こう機きは何なん時じに出ますか」
係かかり「ここではわかりかねますので、あちらのカウンターでお聞きください」
④ただいまのご説せつ明めいでは、私わたくしどもとしては納なっ得とくしかねます。
接続 Vます+かねる
▶1)「気持ちの上で抵てい抗こうがあって、そうすることはできない・難むずかしい」という意味を表あらわす。
2)サービス業ぎょうなどで客きゃくの希き望ぼうに応おうじられないことを婉えん曲きょくに言う場ば合あいや、ビ
ジネスなどの改あらたまった場ば面めんで使われることが多い。
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5 ~得うる・~得えない ★2
【できる/~の可か能のう性せいがある/できない/~の可能性がない】
①これは仕事を成せい功こうさせるために考え得る最さい上じょうの方ほう法ほうです。
②この事じ故こはいつでも起おこり得ることとして十分注意が必ひつ要ようだ。
③この事故はまったく予よ測そくし得ぬことであった。
④親しん友ゆうを失うしなった悲かなしみは言こと葉ばでは表あらわし得ない。
⑤「彼かれは1人ひとりでロンドンへ行くんですか」
「そんなことは、彼の場ば合あい、あり得ませんよ。家か族ぞく第だい一いちだから」
接続 Vます+得る
▶1)「~得る」は、「そうすることができる・そうなる可か能のう性せいがある」(①②)の意味で、「~得ない」は、
「できない・可か能のう性せいがない」(③④⑤)の意味である。いくらか硬かたい言い方。
2)辞じ書しょ形けいは「える・うる」の2ふたつの読み方があり、ない形けいなどそのほかの形かたちでは「えな
い」などと読む。この使い方では「Vうる・Vえない」と読む。
3)「能のう力りょく的てきにできる・できない」の意味では使わない。
╳わたしは難むずかしい漢字は書き得ません。
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6 ~ようにも~ない ★1
【~しようと思ってもできない】
①大切な電話が来ることになっているので、出かけようにも出かけられません。
②言こと葉ばがまったく通じないので、道を聞こうにも聞けなくて困こまった。
③お金に困っている後こう輩はいから借金を頼たのまれて、断ことわろうにも断れなかっ
た。
④うっかり携けい帯たい電でん話わを充じゅう電でんするのを忘わすれていたので、すぐ
連れん絡らくしようにもできなかったんです。
接続 Vよう+にも+Vない
▶1)「~しようと思っても、それを妨さまたげる事じ情じょうがあってできない」という意味。
2)「にも」の前ぜん後ごは同じ動どう詞しを使い、前は意い志し動詞の意志形、後はその可か能のう動詞である。
3)どちらかというと言いい訳わけのような、消しょう極きょく的てきな気持ちを表あらわすことが多い。
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7 ~に足たる ★1 W
【~できる/~するだけの価か値ちがある】
①彼かれは今度の数すう学がくオリンピックで十分満まん足ぞくに足る成せい績せきがと
れるだろう。
②これはわざわざ議ぎ論ろんするに足る問題だろうか。
③田た中なか君くんは大学の代だい表ひょうとして推すい薦せんするに足る有ゆう望ぼう
な学生だ。
接続 Vる/する動どう詞しのN+に足る
▶1)「~に足る+N」の形かたちで、「~できる・~するだけの価か値ちがある人やものごと」を言いたいときに使
う。
2)「~」にはこのほか、「尊そん敬けいする・信しん頼らいする」などの動詞もよく使われる。
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8 ~にたえる・~にたえない ★1
【~するだけの価か値ちがある/~することに耐たえられない】
①あの映画は子ども向むけですが、大人の鑑かん賞しょうにも十分たえます。
②彼かれの小しょう説せつはまだ、小説好ずきの読どく者しゃが読むにたえる本ではな
い。
③事じ故こ現げん場ばはまったく見るにたえないありさまだった。
④あの人の話はいつも人の悪口ばかりで、聞くにたえない。
接続 Vる/する動どう詞しのN+にたえる
▶1)「~にたえる」は「そうするだけの価か値ちがある」という意味。「そうするだけの価値がない」と否ひ定ていし
たいときは、②のように「~にたえるNではない」の形かたちを使う。
2)「~にたえない」は「不ふ快かい感かんがあって、見たり聞いたりすることに耐えられない」という意味を表あら
わす。「見る・聞く」などの限かぎられた動詞にしかつかない。