【第一章の神々】
月ツク読ヨミノ命ミコト
月の満ち欠けを支配する夜の神
イザナキが右目を洗ったときに化生した神である。『古事記』では、イザナキから夜の
国を統治するよう命じられたとされるのみだが、『日本書紀』では保うけ食もちの神かみ
を殺害し五穀の誕生を担っている。だが、殺害の事実を野蛮と捉えたアマテラスと仲違い
をして一日一夜を隔てた別々の世界に暮らすようになり、そのときからこの世に昼と夜が
誕生したとされる。
「読」とは数えるという意味で、ツクヨミは月の満ち欠けを支配する神であり、月齢暦は
農事と関連が深いことから農業神でもあるともいわれる。