【第四章の人々】
多タ遅ヂ摩マ毛モ理リ
但馬国の国守の名を持つ忠臣
新羅しらぎの王子アメノヒボコの子孫とされる。垂仁天皇の命により、常とこ世よの国
くにに非時の香果を取りに行く。これはときを定めず黄金に輝く木の実で、橘のことだと
いう。タヂマモリはそれを持ち帰るものの、敬愛する天皇はすでに亡く、御陵の前で叫び
泣いて自殺したという。
この説話には、不老不死を求める神仙思想の影響が見られ、奈良県の垂仁陵には、タヂ
マモリの墓とされる小さな塚がある。タヂマモリの名は、但馬国の国守という意味を持
つ。また、タヂマモリは新羅の王子だったという説がある。