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ヤマトタケルの最期_日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本_走进日本_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3338
ヤマトタケルの最期
 白鳥に身を変え空の彼方へ飛び立った英雄の魂
◆故郷を夢見ながら力尽きる
 しばしミヤヅヒメのもとにいたヤマトタケルは、草那芸の太刀をヒメのところに置いた
まま伊い服ぶ岐き山やま(伊吹山)の神の平定に赴く。だが、彼は「素手でも倒せる」と
山の神を侮ったばかりか、山ですれ違った白い猪を神の遣いだからあとで殺せばよいとす
る。実はこの猪が山の神であり、彼はこの神の怒りに触れてしまう。突然、大粒の雹が降
り出し、ヤマトタケルの意識は朦もう朧ろうとなる。正気に戻った頃には彼の体はすっか
り衰弱していた。杖にすがるようにして歩く彼の足は自然と故郷の方へ向けられていた。
思い出すのは懐かしい故郷のこと。ヤマトタケルは故郷を思う歌を詠み、能褒野にたどり
着いたころには、もう一歩も歩けなかった。そのとき思わず口をついて出たのが、
  倭やまとは国のまほろば たたなづく 青垣 山やま隠ごもれる 倭しうるはし
 の歌。美しい倭を思い出しつつ故郷を偲んだのである。さらに振り絞るように、
  命の 全またけむ人は 畳たたみ薦こも 平へ群ぐりの山の くまがしが葉を うずに挿
せ その子
 と大和との触れ合いを詠んだ。もう家に帰ることもかなわないのだろうか。そんな痛切
な思いが彼の胸にわきあがる。
  はしけやし わぎへのかたよ くもゐ立ちくも
  をとめの とこのべに わか置きし つるきのたち そのたちはや
 巫女の加護を受けていた太刀を自ら手放した悔恨と絶望がタケルの心を覆う。心の叫び
ともいえる歌を最後に彼は息を引き取った。ヤマトタケルの死の知らせを聞いた妃や御子
たちが急いで駆けつけ、すぐさま葬儀が執り行なわれたが、みながむせび泣くなか、ヤマ
トタケルの魂は白鳥になり、天へと飛び立っていった。そして、一時、河内国の志し磯き
に留まったが、白鳥はさらに高く高く天へと翔かけていったという。

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