【第五章の人々】
忍オシ熊クマ王オウ
皇位を狙い、挙兵した仲哀天皇の皇子
タラシナカツヒコ(仲ちゆう哀あい天皇)の皇子で、母はオホナカツヒメ。新羅遠征か
ら帰ったオキナガタラシヒメがホムダワケ(応神天皇)を伴って大和に戻る際、兄のカゴ
サカとともに皇位を奪うべく挙兵する。この際、仲哀天皇の陵を造るとして、淡路島に多
くの船を連ねたという。
しかし、カゴサカが落命し、オシクマも住吉、逢坂と敗走を重ねる。その後、『古事
記』では、武将らとともに琵琶湖に入水したとあるが、『日本書紀』では瀬せ田た川がわ
の渡し場で死に、死体は宇治川から上がったとされている。