【第五章の人々】
帯タラシ中ナカツ日ヒ子コノ天スメラ皇ミコト(仲哀天皇)
神託を無視し薨じた、英雄の子
ワカタラシヒコ(成務天皇)には子がなく、兄であるヤマトタケルの子を立てたのがタ
ラシナカツヒコ(仲哀天皇)だという。筑紫でクマソ征討についての会議を開いたとこ
ろ、妻の神功皇后に「クマソよりも新羅を討て」という神託が下ったが、これを疑って従
わなかった。すると急に体力が衰え、翌日亡くなったとされる。神託を無視したためとい
われるが、クマソの矢が当たったという説もある。ヤマトタケルの子ながら、武勇にも決
断力にも乏しいイメージで語られる天皇である。