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蟻あり 六_小泉八云_日本名家名篇_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3336
 もちろん前述の予言は、人間性がこの様々な階級に分化する昆虫社会と同等の構造的な専門化が示すほどの、生理的な変化をいずれ経験するだろうと暗示してはいない。働かない少数派の選ばれし母親達のための、半女性労働者とアマゾネス苦役で構成される活発な大多数が人間らしい未来国家を思い描くよう我々は要求されていない。「未来の人口」の章においてさえスペンサー氏は、より高度な道徳的種族を産み出すための、肉体改変の必然を詳細に述べるような試みはしていない──記述全般が徹底的な神経系や、人間の繁殖力の大きな低下への考察であるにもかかわらず、そのような道徳的進化は、生理的な変更に達するのはまったく無視できない意味を持つだろうと連想させる。相互の善行の喜びが生活の楽しみを代表する未来の人間性を信じるのが正しいとすれば、昆虫生物学が証明した進化論的可能性の及ぶ範囲になる真実の生理的、道徳的な異なる形質変化を推測するのも正しくはないのだろうか?……私にはわからない。この世界に今まで現れた最大の哲学者としてハーバート?スペンサー氏を最も敬虔に尊敬するが、彼の教えを何か正反対に書き留めて、とても賢明な読者がそれを総合哲学に触発されたと想像するなら、非常に申し訳ない気持ちになるだろう。後に続く非難は私ひとりの責任であり、もし間違っているのなら私自身の頭の罪としてほしい。
 スペンサー氏に予測された道徳的形質変化は、生理学的変化と恐ろしい代償の助けを借りてのみ作用できると思う。この倫理的条件は昆虫社会で何百万年かけてほとんどの残酷な必然性に逆らい、必死の努力を継続して到達できた状態に顕著である。残酷に等しい必要性は人類が見い出すべきであり、いずれは修得するかもしれない。スペンサー氏は、人間が受け入れられる苦痛の最大の時はまだ来ておらず、それは人口の圧力が受け入れられる最大の時代に付属するだろうと示してくれた。長期の圧迫の異なる結果の間に、人間の知能と共感の膨大な増加が有ると解釈するが、この知能の増加は人間の繁殖力を犠牲にした上で成り立つだろう。しかし繁殖力の減衰は、我々の言う非常に高度な社会的状態を保障するのに十分ではなく、人間の苦悩の主要因である人口の圧力を解消するだけだろう。
完璧な社会の均衡状態には近づくであろうが、決して人類が完全に到達することは無いだろう──
『ちょうど社会的な虫達が性生活の抑制によって解消したような、経済上の諸問題を解消するいくつかの手法が発見されなければ。』
 もしこのような発見が成されるなら、人類は大部分の若い性の発育の阻止を決定するかも知れない──この力の移動による効果のような、今要求される性生活による高度な活動の発展は──あの蟻のように多様な状態が最終的な結果とならないのだろうか。そうなれば、より高い種において──男らしさより、むしろ女らしさの進化を通して──どちらの性別でもない生き物の大多数が、実際に次の人種を代表しないのだろうか。
 現在でさえ、どれだけ多くの者が単なる利他的な動機(宗教はいうまでも無い)から、自身に独身主義の宣告をし、より高度に進化した人間愛が公共の福祉のため、特別優位な利益になるのが確実に展望されるなら、気持ちよく性生活の大きな比率を犠牲にするだろうとは、容易に信じられないとは見えないはずだ。そういった利点の小さくない物は──人類が蟻の天性の方法の後を追って、いつでも性生活を管理できるなら──莫大な寿命の増大であろう。性を超越した高度な人間性の形は、千年の寿命の夢を実現できるかも知れない。
 既に我々は、成すべき仕事のための寿命が余りにも短すぎると気付き、そして絶えず発見の進展は加速し、知識の拡大は決して終わらない、時が過ぎるほどその寿命の短さを、もっともっと後悔する理由を確実に見付けるはずなのだ。科学が錬金術師の望む不老不死の薬エリクシルをいずれ発見するようなことは極めて有り得ない。宇宙の力は、誤魔化しを許さないだろう。全ての利益を許されるには正当な対価を払うべきで、対価の無い永遠の法則は有り得ない。おそらく長寿の対価は、蟻が払った対価が証明するだろう。おそらく幾つかのより古い惑星では、その対価は既に支払われ、階級によって制限された子孫を産み出す力は、思いも寄らない方法で種の残りから形態学的に分化しているのだろう……

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