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妖魔詩話 六、雪おんな_小泉八云_日本名家名篇_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3336
六、雪おんな
 雪の女、あるいは雪の残像、様々な形態を想定されているが、古い民話のほとんどに美しい見掛けで現れ、その抱擁は死である。(彼女についての非常に珍しい話が拙著「怪談」で見付けられる。)
   雪おんな──
 よそおう櫛も
   厚氷あつこおり
 さす笄こうがいや
 氷なるらん
〔雪おんなであるなら──最高の櫛でさえ、間違っていなければ、厚い氷で作られる、そして髪留めも、氷で作られているだろう。〕
   本来は
 空くうなるものか、
   雪おんな
 よくよく見れば
いち物ぶつもなし
〔全く初めの時から錯覚だったのか、あの雪おんなは──虚空へ消えていく物なのか?注意深く辺りの全てを見たが、痕跡はひとつとして見当たらなかった。〕 夜明ければ
 消えてゆくえは
   しらゆきの
 おんなと見しも
 柳なりけり
〔日の出に消えて行った(雪おんな)、何処へ行ったかは何も言えない。しかし実際は一本の柳の木が、白い雪の女になったように見える。〕 雪おんな
 見てはやさしく
   松を折り
 生竹ひしぐ
 力ありけり
〔見掛けは細身で優しい雪おんなが現れたとはいえ、それでも、ポキッと松の木を真っぷたつにし、生きた竹を押しつぶす力を持っているはずだ。〕 寒けさに
 ぞっとはすれど
   雪おんな──
 雪折れの無き
 柳腰かも
〔雪おんなが冷気で震えのひとつを作り出したとしても、すらっとした優雅さは雪にも崩されない(換言すれば、寒さにも関わらず我々を魅了する)。
 

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