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八月二九日。 ある仏教宗派の葬儀の儀式に従って、遺体が火葬されるとき、骨の中から、ほとけさん、もしくは「仏さま」と呼ばれる小さな骨が探される。これは、一般には喉の小さな骨であると考えられている。どの骨がそれなのか、私は分からないし、また、そのような遺骨を調べるという機会を持ったこともない。
焼かれた後に発見される、この小さな骨の形によって、死者の将来の状態が預言されうるのである。魂が運命づけられている次の状態が幸福なものなら、この骨は仏陀の小さなイメージの形をしているという。次の人生が不幸ならば、その骨は奇妙な形をしているか、あるいはまったく形をなしていないだろう、という。
近所のたばこ屋のせがれの、幼い少年が一昨日の晩に死んだ。今日、火葬に付された。火から残された小さな骨には、三体の仏様の形があった――三体――それはおそらく、悲しみにくれている両親への、精神的な慰めとなるものであったろう(1)。
注
(1)大阪の天王寺という大きなお寺では、この骨はみんな納骨所に投げ込まれる。骨が「落ちるときに出す音」によって後世についての証が得られるという。このようにして集められた骨は、一〇〇年毎に、粉にされて、大きな仏像が造られる。