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因幡の白兎
そ の昔むかし、出雲いずもの国くにを治おさめていたオオクニヌシノミコトという神様
かみさまがいらっしゃいました。このオオクニヌシノミコトには八十人はちじゅうにん
も兄弟きょうだいがいました。それだけ大勢おおぜいの中なかからオオクニヌシノミコ
トが出雲いずもの国くにの支し配はいを任まかせられたのには、色々いろいろ経緯いき
さつ [1] があったのです。もともとオオクニヌシノミコトは兄弟きょうだいの中なかでは
一番いちばんパッとしない [2] 感かんじでした。いじめられっ子こでした。損そんな役や
くばかりさせられていました。
ある時とき、オオクニヌシノミコトの兄弟きょうだいたちは因幡いなば国くににヤカミ
姫ひめという、大変たいへん綺麗きれいなお姫ひめさまがいるという噂うわさを耳みみ
にします。そして兄弟きょうだいたちはまだ見みぬヤカミ姫ひめに心奪こころうばわれ
ます [3] 。どんな美人びじんだろう、ツンと澄すました [4] 中なかにも気品きひんが漂ただ
よう優雅ゆうがな感かんじかなどと勝手かってな妄想もうそうを膨ふくらませる [5] ので
した。そしてとうとう、兄弟きょうだい皆みなでヤカミ姫ひめに会あいに行いくことに
なりました。誰だれが夫おっととして相応ふさわしいか、決きめてもらおうというので
す。
オオクニヌシノミコトは、そんな素敵すてきな女性じょせいが自分じぶんのような冴さ
えない [6] 男おとこを選えらぶわけないと分わかってますから、正直しょうじき「面倒め
んどうくさいなあ」という感かんじでした。でも兄弟きょうだいたちはオオクニヌシノ
ミコトを容赦ようしゃ [7] なく荷物にもつ持もちに命めいじます。八十人 はちじゅうにん
分 ぶんの重 おもい荷物 にもつを持 もたされ、オオクニヌシノミコトはフラフラしなが
ら歩 あるいていきます 。
その遥はるか先さきを、兄弟きょうだいたちは余裕よゆうでお喋しゃべりなどしつつ、
遠足気分えんそくきぶんで歩あるいていくのでした。さて、一行いっこうが因幡いなば
の国くにの気多けたの岬みさき [8] に指さしかかりますと、異様いような声こえが。
「ひぃぃぃぃ、いたぃいたぃいたぃよーおぅ。」見みると海岸かいがんで皮かわを剥む
かれて血ちまみれ [9] になった兎うさぎが、野田のだ打うち回まわっている [10] のです。
「いたっ…ちょ、痛つうッ、ひっ、死しぬ」かなり大おおげさです。これだけ元気げん
きならもう少すこしヒドイ目めにあっても死しぬまい、ということで、兄弟きょうだい
たちはロクでもないことを教おしえます。「おぉー、大変たいへんじゃったのう。この
傷きずを治なおすにはな、まず海うみに入はいって全身ぜんしんを潮水しおみずに浸ひ
たすんじゃ。それから濡ぬれた体からだを風かぜに晒さらす。高たかい崖がけの上うえ
なら強烈きょうれつに風かぜを受うけてなお、よい。」「は、はい、今いますぐそれ、
します。や、やった。助たすかるんですね。」大喜おおよろこびでバシャバシャと海う
みに入はいっていくウサギを見みて、兄弟きょうだいたちはゲハゲハ [11] と人ひとの悪わ
るいバカ笑わらいで盛もり上あがる [12] のでした。
兎うさぎはさっそく兄弟きょうだいたちに言いわれたとおり海水かいすいに浸つかり、
近ちかくの崖がけに上あがります。そしてびゅうびゅう吹ふき付つける潮風しおかぜに
体からだを晒さらします。傷口きずぐちが酷ひどく染しみるのですが、嫌いや、これが
助たすかるたった一ひとつの方法ほうほうなのだ、良薬口りょうやくぐちに苦にがし
だ、などと自分じぶんに言いい聞きかせ、頑張がんばるのでした。
ところが全まったく楽らくになりません!潮風しおかぜで乾かわいた肌はだがカピカピ
[13] になり、そこに強烈きょうれつな太陽たいようの光ひかりが照てりつけると、全身ぜ
んしんをジリジリ [14] 焼やかれるようです。「ひ、ひいいいぃ」しまいには全身ぜんしん
にヒビが入はいり [15] 、血ちがにじんでまだら模様 [16] になります。ウサギは変 かわり果
はてた自分 じぶんの姿 すがたに驚 おどろき、恐怖 きょうふし、「たすけて、もう死 し
ぬ、死 しんじゃう」と、駆 かけ回 まわるのでした 。
そこに、兄弟たちよりだいぶ遅おくれてオオクニヌシノミコトが通とおりかかります。
海岸かいがんですごい声こえを上あげてのたうちまわっている生いき物ものを見みつ
け、何事なにごとかとかけよります。「だっ、はっ、痛いたい、死しぬ。モウだめ」オ
オクニヌシのミコトはウサギを一旦落いったんおち着つかせ、話はなしを聞ききます。
「いやどうも、ヒドイ話はなしですよ。私わたしは、この海うみの向むこうの隠岐おき
の島しまに住すんでたんですが、いつもこっち側がわを見みて、渡わたってみたいなー
と思おもっとったんです。それでサメの奴やつに話はなしかけまして。サメさん、あん
たの仲間なかまいっぱいいるようだけど、私わたしの仲間なかまとどっちが多おおいで
しょうねえ、んー、そらワシのが多おおいに決きまっとる、ほんとですかぁ?なんて言
いって、じゃここから向むこう岸ぎしまでズラーて [17] 仲間なかまを並ならべてみてくだ
さいよって言いうと、サメはバカなもんですから、なんだおやすいことだなんて言いっ
て、並ならぶんですよ。で、私わたしはその上うえをぴょんぴょこ渡わたってきたんで
すが、あんまり作さく戦せんがうまくいったもんで、つくづく自分じぶんの頭あたまの
良よさにホレボレ [18] しちゃいまして、あと一匹飛いっぴきとび越こえれば岸きしに着つ
くって時ときに私わたしつい口くちがすぺっちゃったんですよ。ヒャッハーッ、おいら
海うみを渡わたりたかった、だーけーさーバーカのバーカのサメやーい。サメの奴やつ
は怒おこったってそらったいへんな怒おこりようでもう、ベリベリベリーとひんむかれ
ちゃってこの姿すがたですよ。」オオクニヌシノミコトは呆あきれて兎うさぎの話はな
しをきいていました。なかなか憎にくめない兎うさぎではあります。
しかし、兎うさぎは自分じぶんの兄弟きょうだいたちに騙だまされて全身ぜんしんひび
割われになったとのこと。これはほっておけません。オオクニヌシノミコトは兎うさぎ
にアドバイスします。傷きずはまず真水まみず [19] で洗あらうこと。川かわが海うみに流
ながれ込こんでいるあたりの、まだ海水かいすいにならない、塩しおを含ふくまない水
みずで体からだを洗あらうこと。それから蒲がまの穂ほを集あつめて、その上うえでゴ
ローンと横よこになって体からだを乾かわかすことをアドバイスしました。
ウサギは言いわれた通とおり真水まみずで体からだを洗あらい、蒲がまの穂ほを集あつ
めてその上うえに横よこたわれます。するとホワホワといい気持きもちになってきて、
傷きずの痛いたみがスーッと消きえ、眠ねむりに落おちていきました。
目めがさめると、オオクニヌシノミコトはまだ見守みまもってくれてました。自分じぶ
んの体からだを見みると、ふさふさ [20] と白しろい毛けが戻もどっているのです。「い
やーっーほーーなおったぁーーうわはっ」ウサギは大喜おおよろこびで「すごい」「え
らい」「サイコー」とオオクニヌシノミコトをたたえまくった後あと、意外いがいなこ
とを告つげます。
「実じつは、私わたしはヤカミ姫ひめの使つかいのウサギなんです。」「えっ…?」驚
おどろくミコトに兎うさぎは語かたります。貴方あなたの兄弟きょうだいたちは絶対
ぜったいヤカミヒメと結婚けっこんできないでしょう。あんな酷ひどい人ひとたちはロ
クなことにならない [21] 。貴方あなたこそ、ヤカミヒメと結婚けっこんするに相応ふさわ
しい [22] と。「がーんーばーってくださいねー。」
オオクニヌシノミコトは急きゅうな話はなしでとても信しんじられませんでしたが、と
にかく兄弟きょうだいたちの後あとを追おって、出発しゅっぱつするのでした。
[1] 「経緯」,名词。实情的经过、原委。
[2] 「一番パッとしない」,最不起眼儿的,不引人注目的。
[3] 「~に心を奪わる」,被……强烈吸引住,被……迷住。
[4] 「ツンと澄ます」,摆架子。
[5] 「勝手な妄想を膨らませる」,想入非非。
[6] 「冴えない」,形容词。没劲儿,不够满意的。
[7] 「容赦」,名词。宽恕,饶恕。
[8] 「岬」,名词。海角。
[9] 「血まみれ」,名词。满身是血,沾满鲜血。
[10] 「野田打ち回っている」,在地上打滚。
[11] 「ゲハゲハ」,副词。哼哼地笑。
[12] 「盛り上がる」,动词。高涨起来。
[13] 「カピカピ」,副词。皲裂的样子。
[14] 「ジリジリ」,副词。火辣辣地。
[15] 「ヒビが入る」,裂缝,裂纹。
[16] 「まだら模様」,名词。斑斑点点。
[17] 「ズラーて」,副词。一长排。
[18] 「ホレボレ」,副词。令人神往。
[19] 「真水」,名词。淡水。
[20] 「ふさふさ」,副词。毛茸茸。
[21] 「ロクなことにならない」,没正经的,没有好事。
[22] 「相応しい」,形容词。适合,相称。
因幡白兔
从 前,有一位管理出云国的大神,名叫大国主命。大国主命有兄弟八十人,从众人之中选
出大国主命来治理出云国是有很多原因的。本来大国主命在兄弟之中是最不起眼的,而且
还经常受欺负,总是充当倒霉蛋的角色。
有一次,大国主命的兄弟们听说因幡国有一个长得非常漂亮的八上公主。他们都被素未谋
面的八上公主弄得神魂颠倒,心中充满了虚无缥缈的幻想:那是怎样的一个美人儿呢?有
着怎样一种高傲且优雅的气质呢?于是,兄弟们决定去见八上公主,请求公主选自己做她
的丈夫。
而大国主命却想,如此漂亮的女孩是无论如何也不会选一个像自己这样没用的男人做丈夫
的。所以,他打心底里觉得麻烦,压根儿就没想去。可是,兄弟们并不放过他,毫不客气
地命令大国主命为他们拿行李。大国主命带着八十个人的沉重行李,步履蹒跚地出发了。
一路上,他的兄弟们从容地闲聊着,像郊游一般步履轻盈地前进,把大国主命远远地甩在
后头。就在他们一行人快要到达因幡国气多海角的时候,突然传来了一个奇怪的声音。
“哎哟!痛!痛!痛死我了……”只见海岸上有一只被剥了皮、浑身鲜血淋淋的兔子正在痛
苦地打滚。
听到兔子的喊声,兄弟们心想,这也太夸张了吧?既然有力气这么大叫,即使再受点儿苦
也不会死吧。于是,他们没正经地说:“哎呀!你真的伤得很严重啊!要想治好这个伤,你
首先得跳进大海,把全身都浸泡在海水里,然后再站在高高的悬崖上让强风吹干身体才行
哪。”“好的!好的!我马上照办。这下可好了,终于有救啦!”看到喜出望外的兔子“扑
通!”一声跳进大海里,兄弟们都幸灾乐祸地大笑起来。
兔子立刻按照他们说的那样泡在海水里,然后爬到附近的悬崖上,任由呼啸的海风吹打自
己的身体。即使伤口剧烈疼痛,它也一直忍痛坚持着,不停地勉励自己:这是康复的唯一
办法,良药苦口啊!
但是,它的伤势丝毫没有好转。被海风吹干的皮肤皲裂开来,在猛烈的阳光照射之下,全
身感到火辣辣地,就像被火烧一样疼痛。“哎哟!哎哟!疼死我了!”兔子仍在叫喊着。最
后它的全身皮肤皲裂,还渗出了斑斑血迹。兔子对自己现在的模样感到十分震惊和恐惧,
它拼命喊着:“救命啊!快疼死我了!”四处奔跑。
这时候,比兄弟们落后了一大截的大国主命终于到了这里。他发现海岸边有一只动物一边
凄厉地叫喊一边四处奔跑。于是,他就上前去问个究竟。“不行啦!啊!疼死我了!救命
啊!……”兔子凄惨地大喊着。大国主命首先安抚了兔子的情绪,然后询问事情的原委。
兔子说:“唉呀!我算是倒霉透了。我本来是住在这海对面的隐岐岛上的,经常眺望这边,
总想着如果能过来就好了。为此我跟鲨鱼那家伙搭讪:‘鲨鱼,你好像有很多朋友嘛。但是
和我相比,到底谁的朋友更多啊?’鲨鱼说‘哼!那肯定是我的多啦。’‘真的吗?我不信!那
么你就让你的同伴从这边开始一字排开列队到对岸,给我看一看吧!’鲨鱼可真是个笨蛋
哪!它连想都没想就答应说:‘小菜一碟,排就排吧。’等它们排列好之后,我就踩着它们
一蹦一跳地跳到这边来。当时,我心里还想:这真是条妙计啊,不由得打心底里觉得自己
真是太聪明了。但由于想得得意忘形,就在还差最后一只鲨鱼就能到达对岸的时候,我不
小心说漏了嘴:‘啊哈!我其实只是想渡过大海去那边的……笨蛋!一群鲨鱼笨蛋啊!’鲨
鱼那家伙顿时勃然大怒,‘唰!唰!唰!’粗暴地剥掉了我的皮,所以我就变成这样了。”大
国主命听得目瞪口呆。兔子虽有不对之处,但这么可怜,也实在让人恨不起来啊!
但是,看到兔子被自己的兄弟们欺骗,最后落得全身皮肤皲裂的下场,我可不能坐视不
理。大国主命给了兔子这样一个建议:首先用淡水清洗伤口。就是在小河流入大海的那一
带,舀一些还没变成海水的、不含盐分的淡水来清洗身体。接着去收集一些香蒲的花穗,
躺在上面翻滚,然后再把身体弄干。
兔子按照他说的那样用淡水清洗了身体。接着又收集了香蒲的花穗,然后躺在上面翻滚。
不一会儿它就觉得十分舒服,伤口的疼痛很快消失了,最后还进入了梦乡。
当它醒来的时候,发现大国主命还守候在自己身边。它看一下自己的身体,一簇簇的白毛
又重新长了出来。“哎呀!终于好了!哇!太好啦!”兔子高兴地对大国主命赞不绝口:“你
真厉害!”“你太伟大啦!”“你最棒了!”接着,它告诉了大国主命一件出人意料的事情。
“其实呀,我是八上公主的侍者因幡兔。”“啊?”主命还没回过神来。兔子接着说:“您的兄
弟们无论谁都不可能和八上公主结婚,那么坏心肠的人是没有好下场的!只有您,才是最
适合和八上公主结婚的人。”“你要加—油—啊!”因幡兔对大国主命说。
大国主命实在无法相信这突如其来的消息,他将信将疑地继续启程去追赶自己的兄弟们。
语法详解
(1)動詞連用形+ながら
表示前后项动作同时进行。相当于“一边……一边……”
* フラフラしながら歩いていきます。
一边摇摇晃晃,一边往前走。
* 最近、車を運転しながら電話をかけている人が多い。
最近有很多人一边开车,一边打电话。
* 楽しく語りながら並木道を歩いて行った。
一边愉快地聊天,一边走在路边树下。
(2)動詞連用形+果てた
表示“完全……”“……极了”。
* 彼がすっかり疲れ果てた。
他累极了。
* 彼女は生活に困り果てる。
她为生活走投无路。
小知识
出雲の国
歴史上の出雲国(いずものくに)は、かつて日本の地方行政区分だった
令制国の一つ。山陰道に位置する。別称は雲州(うんしゅう)。領域は
現在の島根県東部にあたる。出雲という国名の由来は雲が湧き上がる様
子をあらわした語、稜威母(イズモ)という、日本国母神「イザナミ」
の尊厳への敬意を表す言葉からきた語、あるいは稜威藻という竜神信仰
の藻草の神威凛然たることを示した語を、その源流とするという説があ
る。ただし歴史的仮名遣では「いづも」であり、出鉄(いづもの)から
きたという説もある。現在は島根県北東部、出雲平野の中心にある市。
室町時代以降市場町として発展。紡績·酒造などの工業が発達。
出云国
历史上的出云国位于山阴道,是古代日本地方行政区划的一个令制国。别
称为云州。范围相当于现在岛根县东部。“出云”这个国名是表示云起云涌的
样子,用来表示对名为“稜威母”的日本母神伊邪那美命的尊敬,或是用来彰
显名为“稜威藻”的龙神信仰的藻草神的凛凛神威。另外,也有学说认
为:“出雲”历史上的假名书写为“いづも”,是从“出鉄(いづもの)”演变而
来的。现在一般指位于岛根县东北部、出云平原中心的城市。室町时代作
为贸易城市发展起来,纺织、酿酒等工业发达。