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昔 々むかし、ある所ところに、焙烙ほうろく売うり [1] がいました。焙烙ほうろくという
のは、土つちで作つくったフライパンの様ような物ものです。
ある年としの七月しちがつ、焙烙ほうろく売うりが山道やまみちを通とおりかかると、
娘むすめたちが湖みずうみで水浴みずあびをしていました。ふと見みると、目めの前ま
えに美うつくしい着物きものがおいてあります。「ああっ、何なんてきれいな着物きも
のなんだろう。」焙烙ほうろく売うりはその着物きものがほしくなり、その中なかの一
枚いちまいを素早すばやくカゴに入いれて、何なにくわぬ [2] 顔かおで通とおりすぎてい
きました。
ところがタゆう方がた、仕事しごとを終おえた焙烙ほうろく売うりがそこへ戻もどって
くると、一人ひとりの美うつくしい娘むすめがシクシクと泣ないている [3] のです。「は
はん。さては、わしに着物きものを取とられた娘むすめだな。」焙烙ほうろく売うりは
そのまま通とおり過すぎようとしましたが、娘むすめの着物きものを盗ぬすんだという
罪つみの意識いしきもあったので、娘むすめに自分じぶんの着物きものを着きせてやる
と、家いえに連つれて帰かえりました。
さてこの娘 むすめ、見 みれば見 みるほど美人 びじんです 。焙烙ほうろく売うりはこの
娘むすめが好すきになり、自分じぶんのお嫁よめさんにしました。やがて子供こどもが
生うまれて、親子三人おやこさんにんは仲良なかよく暮くらしていました。
ある日ひの事ことです。焙烙ほうろく売うりが仕事しごとに出でかけた後あと、お嫁よ
めさんが子供こどもを寝ねかせながら、ふと天井てんじょうを見みてみると、何なにや
ら [4] 油あぶら紙がみに包つつんだ物ものがあります。「あら、何なんの包つつみかし
ら?」お嫁よめさんが包つつみを開ひらいてみると、中なかには盗ぬすまれた着物きも
のが入はいっていました。「あっ!これはわたしの着物きもの!きっと、あの人ひとが
盗ぬすんだに違ちがいないわ。許ゆるさない!」お嫁よめさんはその着物きものを素早
すばやく着きると、子供こどもを抱かかえて空そらへ昇のぼろうとしました。
そこへ、焙烙ほうろく売うりが帰かえってきたのです。一目ひとめで全すべてを悟さ
とった焙烙ほうろく売うりは、お嫁よめさんに手てをついて謝あやまりました。「ま、
待まってくれ!わたしが悪わるかった。だから待まってくれ!」「いいえ!わたしは天
てんの国くにへ戻もどります!あなたに着物きものを取とられて、しかたなくお嫁よめ
さんになりましたが、わたしはもともと天女てんにょです。」
「すまない!謝あやまる!今 いままでに何度 なんども返 かえそうと思 おもったが、お
前 まえがどこかへ行 いってしまうのではないかと心配 しんぱいで、返 かえすに返 かえ
せなかったんだ 。」「言いい訳わけは聞ききません。さようなら!」
「頼たのむ!何なんでもする。どんな償つぐない [5] でもする。だから、わたしをおいて
いかないでくれ!」必死ひっしに謝あやまる男おとこの姿すがたに、心こころを打うた
れた [6] お嫁よめさんは、「…では、もし本当ほんとうにわたしが大切たいせつなら、本
当ほんとうにわたしに会あいたいのなら、わらじを千足せんそく作つくって、天てんに
昇のぼってきなさい。そうすれば親子三人おやこさんにん、今いままで通とおり暮くら
す事ことができるでしょう」と言いうと、お嫁よめさんは子供こどもとともに、天高て
んたかく昇のぼっていってしまいました。
「わらじを千足せんそくだな。よし、作つくってやる!」焙烙ほうろく売うりはお嫁よ
めさんに会あいたい一心いっしんで、毎日毎日まいにちまいにち、朝あさから晩ばんま
でご飯はんも食たべずに、わらじを作つくりました。何日なんにちもかかって、やっと
九百九十九足きゅうひゃくきゅうじゅうきゅうそくのわらじができました。「よし、あ
と一足いっそくだ。あと一足いっそくで、あいつと子供こどもに会あえるんだ。」そう
思おもうと、焙烙ほうろく売うりは我慢がまんできなくなり、一足いっそくたりないま
ま外そとへ飛とび出だすと、天てんに向むかって、「おーい、早はやく迎むかえに来き
てくれー!」と、叫さけびました。
すると天てんから、ひと塊かたまりの雲くもが降おりてきました。焙烙ほうろく売うり
がその雲くもに乗のると、雲くもは上うえへ上うえへと昇のぼっていきました。ところ
がわらじが一足いっそくたりないため、あと少すこしの所ところで天てんの国くにへ着
つくというのに、それっきり雲くもが動うごかなくなりました。「あっ、あなた、本当
ほんとうに来きてくれたのね。」天女てんにょは一生懸命いっしょうけんめいに手てを
振ふっている焙烙ほうろく売うりを見みつけると、機織はたおりの棒ぼうを下したへ伸
のばしました。焙烙ほうろく売うりはその棒ぼうに掴つかまり、何なんとか雲くもの上
うえに出でることができたのです。
さて、天女てんによの家いえにはお爺じいさんとお婆ばあさんがいて、赤あかちゃんの
お守もりをしています。「この人ひとが、この子このお父とうさんです。」天女てん
にょは焙烙ほうろく売うりを、二人ふたりの前まえに連つれていきました。でも二人ふ
たりは怖こわい顔かおで、焙烙ほうろく売うりを睨にらみ [7] ました。何なんとかして、
焙烙ほうろく売うりを追おい返かえそうと考かんがえていたのです。そこで焙烙ほうろ
く売うりにザルを渡わたして、それで水みずを汲くんでくるように言いいました。
穴あなのたくさん開あいたザルでは、水みずを汲くんでくることができません。焙烙ほ
うろく売うりが困こまっていると、お嫁よめさんはザルに油あぶら紙がみを敷しいてく
れました。焙烙ほうろく売うりはそれに水みずを汲くんで、二人ふたりのところへ持
もっていきました。「うむ、人間にんげんにしてはなかなか知恵ちえがある。褒美ほう
びに、このウリをやろう。横よこに切きって食たべろ。」そう言いって、お爺じいさん
は焙烙ほうろく売うりに大おおきなウリをくれました。
天てんの国くにでは、ウリを縦たてに切きって食たべます。もし横よこに切きったら、
水みずがどんどん出でてきて止とまらなくなるのです。そんな事こととは知しらない焙
烙ほうろく売うりが、ウリを横よこに切きったから大変たいへんです。切きり口くちか
ら水みずが噴ふき出だして止とまらなくなり、焙烙ほうろく売うりは天あまの川がわに
流ながされて、どんどん遠とおくへ行いってしまいました。
それを見みて、お嫁よめさんが叫さけびました。「あなたーっ、父母ふぼを説得せっと
くして、月げつに一度いちど、水みずの流ながれを止とめてもらいます。毎月まいつき
の七日なのかに会あいに来きてください。」ところが焙烙ほうろく売うりは、水みずの
流ながれの音おとのために聞きき違ちがえて、「よし、分わかった。毎年まいねんの七
月七日しちがつなのかだな。」と言いって、そのまま流ながされてしまいました。
こうして二人ふたりは、年ねんに一回いっかい、七月七日しちがつなのかの七夕たなば
たにしか会あえなくなったという事ことです。
[1] 「焙烙売り」,名词。卖砂锅的人。
[2] 「何くわぬ顔」,假装不知道的样子。
[3] 「シクシクと泣いている」,抽抽搭搭地哭。
[4] 「何やら」,名词、副词。某种、某些;不知为何。
[5] 「償い」,名词。补偿、赔偿。
[6] 「心を打たれる」,深受感动。
[7] 「睨む」,动词。盯视、瞪眼、怒目而视。
从 前有一个地方,有一个卖砂锅的人。所谓砂锅,就是用土做成的平底煎锅模样的锅。
有一年的七月,卖砂锅的人在山中赶路时,看见一群姑娘们正在湖里洗澡。他忽然看见眼
前放着美丽的和服,心想:“啊呀!多么漂亮的和服啊!”卖砂锅的人想要那和服,就迅速
地拿了其中一件放进篮子里,然后若无其事地走开了。
然而到了黄昏时分,卖砂锅的人干完活返回来时,发现一位美丽的姑娘正在那儿抽
泣。“哦?可能是被我拿了和服的那个姑娘吧。”卖砂锅的人心想,他原本想就这样走过
去,可是他又对偷了姑娘的和服心存愧疚,所以让姑娘穿上自己的衣服,把她带回了家。
这个姑娘真是越看越美丽。卖砂锅的人渐渐喜欢上了这位姑娘,于是便娶她为妻。过了不
久,她生下了小孩,一家三人过着其乐融融的日子。
有一天,卖砂锅的人出去干活后,妻子在哄孩子睡觉时,不经意地看了一眼天花板,她发
现有一个用油纸(保存物品时用的日本纸)包着的东西。“咦?里面包的是什么呢?”妻子
一边想一边打开包裹看,里面正是自己那件被盗的和服。“啊呀!这是我的衣服!一定,一
定是他偷的。我决不原谅他!”妻子连忙穿上那件和服,抱着孩子想往天上飞。
就在此时,卖砂锅的人回来了。他一看就明白了一切,他跪在地上向妻子道歉:“请等一
等!是我错了。请等等我,别走!”卖砂锅的一边哀求一边拉住妻子。“不!我要回到天
上!因为你偷了我的和服,我没办法回到天上,才做了你的妻子,但我原本是天上的仙
女。”妻子执意要上天。
“对不起!我向你道歉。在此之前我几次想把和服还给你。但又担心你会走掉,最终还是没
有还给你。”男人道歉道。“我不想听你辩解。再见吧!”妻子说。
男人哀求道:“求你了。无论让我做什么,怎么补偿都行。但就是不要把我一个人留
下!”看到丈夫拼命道歉的样子,妻子也被打动了。她说:“那么,若你认为我真的很重
要,真的很想见我,你就做一千双草鞋,再来天上找我吧。到时我们一家三口就能像从前
那样一起生活了。”说完,妻子就带着孩子一起高高地飞上了天空。
“一千双草鞋。好!我马上就做。”卖砂锅的人一心想见妻子,每天从早到晚,连饭都不
吃,一直忙着做草鞋。花了好几天时间,他终于做好了九百九十九双草鞋。“太好了!就差
一双了,再做一双,就能见到我老婆和孩子了。”想着想着,卖砂锅的人再也忍不住了。还
差一双鞋没做完,他就跑到外面,对着天空大喊:“喂!你快点儿来接我吧!”
这时,从天边飘下来一朵云。卖砂锅的人就坐在那朵云上,云彩不断地往上飘呀飘。可
是,因为还差一双草鞋,就在还差一点距离就要到达天庭时,云彩不动了。“啊!你真的来
了。”仙女看到了丈夫正一个劲地朝她招手,就把织布棒往下伸。卖砂锅的人一把抓住那织
布棒,勉强地爬到了天上。
话说仙女的家里有老爷爷和老奶奶,他们正在看孩子。“这人就是孩子的父亲。”仙女把卖
砂锅的人带到了两位老人跟前。但是,两位老人看似很凶,眼睛死死地瞪着卖砂锅的。他
们心想:一定要想办法赶走这家伙。于是,两位老人递给卖砂锅的一个竹篓,让他去打
水。
用有很多洞的竹篓去打水是不可能的。卖砂锅的人正在为难时,妻子用油纸铺在竹篓的上
面。于是,卖砂锅的用它打水,端到了两位老人面前。“你还是相当有智慧的嘛。作为奖
赏,给你这个瓜。你要把这个瓜横着切开吃。”说着,老爷爷就给了卖砂锅的人一个大瓜。
在天上,要竖着切瓜。因为如果横着切的话,水会汩汩地流个不停。卖砂锅的不知道这
点,他横着把瓜切开了,这下可糟糕了。喷涌的水从切口不停地往外流,卖砂锅的人被天
河冲走了,一下子被冲得很远很远。
见到此景,妻子喊着说:“相公,我会说服父母亲,让他们一个月让水流停止一次,那我们
每个月的七日来相会吧!”然而卖砂锅的人因为水流声太大听错了,回答道:“好!知道
了。是每年的七月七日吧。”说完就这样被冲走了。
于是,他们两个人只能一年一次在七月七日的七夕那天才相会啦。
语法详解
(1)用言の仮定形ば+用言の連体形ほど
表示“越……越……”。前接形容动词时用「…ならば+形容動詞+(な)ほ
ど」的形式。
* この娘、見れば見るほど美人です。
这个姑娘越看越美丽。
* 日本語は勉強すればするほど難しくなる。
日语越学越难。
* 絵は高ければ高いほど有名になる。
画是越贵越有名。
* 便利ならば便利ほど部屋代は高くなります。
(地段)越方便,房租越贵。
(2)動詞に+同一動詞の可能形+ない
表示想做却不能。相当于“想……也不能……”“即使想……也不能……”。也
用「…にも…ない」的形式。
* 金がないので、返すに返せない。
没钱想还也还不了。
* 電車が止まって、帰るに帰れません。
电车停了,想回也回不去。
* 雨が降っているので、行くにも行けない。
因为下雨,所以想去也去不成。
小知识
天女
天女は、天部に住むとされる女性のことで、天帝などに仕えているとさ
れる女官の総称である。吉祥天女·弁財天女など。人間界においては容姿
端麗であることを除けば人と大きく変わるところはなく、羽衣と呼ばれ
る衣服で空を飛ぶとされるが、この羽衣を奪われたばかりに空に帰れな
くなり、地上の男性と婚姻する話(羽衣伝説)などが伝えられている。
羽衣伝説は日本(北海道から沖縄まで)や朝鮮半島などの各地に伝説が
伝わっておる。優しさと美しさを兼ね備えた女性を天女と例えることも
ある。
天女
天女是指住在天界、侍奉天帝的女官的总称,例如吉祥天女、辩才天女
等。传说中,天女除了拥有端庄秀美的容貌外,与人并无特别的不同。她
们穿着叫做“羽衣”的衣服,在天空中飞翔,一旦失去羽衣,就无法回到天
界,只能与地上的男子结婚。这样的羽衣传说在日本(北海道到冲绳)和
朝鲜半岛各地均有流传。也常用天女来比喻温柔美丽的女性。