国立（くにたち） （東京都国立市）
国分寺の「国」と立川の「立」から命名。名付け親は堤康次郎 東京都西部にある国立市は、二〇〇六（平成十八）年十月現在の人口が、約七万三六〇〇人。一九二六（大正十五）年に東京音楽学院（のちの国立音楽大学）、一九二七（昭和二）年に東京商科大学（のちの一橋大学）が誘致されるなど、教育施設が次々に建設され、それ以来、アカデミックな文教都市としても知られるようになった。
ところで、この「国立」という名前は、駅名にちなんだものだ。
東京音楽学院が誘致されたのと同じ大正十五年に、中央線国分寺駅と立川駅のあいだに新駅を設置することとなり、その際に、国分寺の「国」と立川の「立」を一文字ずつ取って、「国立」と命名された。
名付け親は、西武グループの創始者である堤康次郎氏とされる。というのも、大正末期にはまだ山林地帯だったこの一帯に、理想的な学園都市を建設する計画がもち上がり、その先頭に立ったのが彼だったからだ。
やがて開発がはじまり、整然とした街路がつくられ、教育施設も誘致されて計画どおりの街が誕生していった。
ちなみに、ＪＲ国立駅を降りると、南へまっすぐ延びる「大学通り」という大通りがあるが、その通りは大正から昭和のはじめにかけての開発当時は、なんと、飛行機の滑走路として使用されていたという。
