埼玉（さいたま） （埼玉県）
「さいたま」とは、じつは幸福を与える神様の力のこと かつては、軽く冗談めかして「ダサイタマ」などといわれたりもしていた埼玉県だが、政令指定都市?さいたま市の誕生や、さいたま新都市の開発などもあって、いまでは大幅にイメージアップしている。
ところで、その「さいたま」という地名だが、これは「サキタマ」が変化したものではないかといわれている。いくつかの古文書にも記されているようだが、サキタマという言葉はかなり古くから用いられていた。これが次第にサイタマという読み方に変化したというのである。
では、サキタマとはどういう意味なのだろうか。これについては大きく分けて二説ある。一つはサキタマの「サキ」は「幸」であり、サキタマは幸福を与える神の力をあらわすというもの。
これに対し、もう一つは地形説で、サキタマの「サキ」は「位置（前方の土地）」を示し、「タマ」は「湿地」という意味だとする説だ。
じつは、埼玉県は本来なら岩いわ槻つき町に県庁が置かれ、「岩槻県」になるはずだった。だが当時の明治政府は、朝廷に敵対、またはあいまいな態度を見せる藩には、その名を藩名として名乗らせない方針をとっており、この地の岩槻藩も、そんな態度だったことから政府はこれを認めなかった。
その後、府県統合の際に埼玉県へと改称させられ、まもなく県庁も別の場所に移ってしまったのである。
