甲子園（こうしえん） （兵庫県西宮市）
球場開設の年の干支をあらわしていた高校球児の聖地 甲子園球場といえば、プロ野球阪神タイガースの本拠地であると同時に、高校球児の聖
地としても知られている。毎年春と夏には高校野球の全国大会が開催され、日本中の高校野球ファンの目が注がれる。
高校球児たちはここをめざし、〝甲子園出場?を合言葉にして、厳しい練習に耐え抜くのである。
ところで、その「甲子園」一帯は、かつては兵庫県武む庫こ郡成尾村と呼ばれていた。
一九二四（大正十三）年八月一日には武庫川改修工事にともない、廃川となった旧枝川と中川の分岐点に野球場を建設することが決定。阪神電鉄がこの一帯を買収し、住宅、スポーツセンター、遊園地などの事業計画を立てて、その一環として、野球場が建設されることになったのである。
当時は、甲子園からほど近い鳴なる尾お球場で全国中等学校野球大会が開催されていた。しかし、野球熱が高まるにつれて観客を収容しきれなくなり、新しい野球場建設の機運が高まっていた。そこで、阪神電鉄がこの新たな開発地に、野球場の建設を決断したというわけだ。
こうして完成した野球場に付けられた名前は「甲子園球場」。大正十三年の干え支とは「甲きのえ子ね」であったが、じつは、それにちなんで付けられた名前だったのである。
その後、周辺では住宅建設が着々と進められ、「上甲子園」「中甲子園」「浜甲子園」「南甲子園」と呼ばれる住宅地も形成されていった。
