ジャンジャン横丁( ジャンジャンよこちよう) (大阪府大阪市)
三味線や太鼓の音で大にぎわいの横丁
大阪市浪速なにわ区の最南端にある「南陽通商店街」は、正式名称で呼ばれることはほとんどない。「ジャンジャン横丁」という、なんともにぎやかな雰囲気の愛称で、人々から愛されつづけているのだ。
この愛称の由来については、一般に次のようないわれがある。
かつて、この一帯は通天閣と飛とび田た遊郭を結ぶ道筋にあたり、たくさんの人々が行き交っていた。そうした客をめあてに、戦後まもない頃には立ち飲み屋や食堂、射的の店などが建ち並び、各店は他店に負けずに客を集めるため、遊郭に向かう客に対して一日中、呼び込みをおこなっていた。それも、三味線や太鼓などを鳴らしながら、だいぶにぎやかにやっていたのだという。
このジャンジャン横丁という名は、その三味線の「ジャンジャン」という音から名付けられたといわれているようだ。
なお、この横丁は「ジャンジャン町」とも呼ばれ、看板には両方の名称が書かれている。ちなみに、ここは林芙美子の小説『めし』にも、ジャンジャン町として登場している。
いまでもジャンジャン横丁は、にぎやかな商店街として知られており、最近では、なんとテーマソングまでつくられている(曲名は「恋してジャンジャン」)。三味線の呼び込みはなくなっても、その活気はまだまだ健在のようだ。