カンカン沢(カンカンざわ) (北海道平びら取とり町ちよう)
「カンカン」とは叩く音ではなく、「大腸」のことだった
怒っているわけではないし、かんかん照りで暑くなっているわけでもない。はたまた、何かをカンカンと叩いている音でもない……。北海道にある二に風ぶ谷たにの「カンカン沢」のことである。
怒っているわけではないし、かんかん照りで暑くなっているわけでもない。はたまた、何かをカンカンと叩いている音でもない……。北海道にある二に風ぶ谷たにの「カンカン沢」のことである。
このカンカン沢という地名の由来はアイヌ語だ。アイヌ語で「カンカン」というのは、クマでもシカでも、そして人間でも、「大腸?小腸」のことを意味する言葉である。
実際にカンカン沢に行ってみると一目瞭然なのだが、よく見ると、たしかにまるで腸のように蛇行した道が長くつづいていて、これが語源になってそう呼ばれるようになったことには容易に納得がいく。
北海道の地名は、その歴史からアイヌ語と深く関わっているものが多く、北海道の市町村のうち、約八割がアイヌ語に由来するといわれている。
アイヌの人たちは、生活する上で必要不可欠な産物を得る場所や、狩猟や貿易のために移動する通路や道路、そのときの目印となるような珍しい地形など、アイヌの生活に深く関わっている土地に地名を付けたのである。
それゆえに、いまでも北海道にはアイヌ語地名がたくさんあるというわけだ。