阿佐ヶ谷(あさヶがや) (東京都杉並区)
浅い田んぼで田植えが楽だった阿佐ヶ谷の農民
東京都杉並区にある「阿佐ヶ谷」は、旧阿佐ヶ谷村が発展してできた場所だが、現在の地名は「浅が谷」が起源ではないかといわれている。
一説によると、ここの地形が、桃もも園ぞの川がわの浅い谷地を形成しているところから「浅い谷」と呼んでいたものが、やがて「浅が谷」に変化したというのだ。
また別の説では、この地に開かれた田んぼが浅く、農民は田植えが楽だったことから「浅い田のある谷地」が縮められて「浅が谷」になったともいわれている。
旧国鉄時代、現在のJR中央線が敷かれてからは、人口が増えて住宅地となっていき、一九六四(昭和三十九)年の住居表示法により、町名表示は「阿佐谷」で統一された。
ただ、旧来の名を懐かしむ人が多いせいか、JRや東京メトロの駅名は、「ヶ」の入った「阿佐ヶ谷」表記のままとなっている。