はわい (鳥取県湯梨浜町)
鳥取県の「日本のハワイ」には、なんと温泉がある
二〇〇四(平成十六)年十月一日、近隣の東郷町、泊村と合併して湯ゆ梨り浜はま町に
なったのが、鳥取県東とう伯はく郡の旧羽合町だ。現在は、大字名の前に、平仮名で「は
わい」と付ける地名に変わって、旧町名の名残をあらわしている。
それというのも、この町が、町おこしに尽力してきたという歴史を誇りにしているから
でもある。
羽合町にはかつて、「浅あそ津づ」という温泉地があった。そして、一九七八(昭和五
十三)年に、これを町名にちなんで「はわい温泉」と改名、観光客誘致に力を入れてきた
のである。
砂浜には「ハワイ海水浴場」が設けられ、夏祭りは「ハワイ祭り」と命名。「日本のハ
ワイ」として町を宣伝し、本場のハワイと姉妹都市になって交流もつづけてきた。さら
に、夏になると町役場の職員がアロハシャツで仕事をするというような、住民の地道な努
力もあって、町の名を全国的にしたのである。
合併後の新町名の命名時には、羽合の名称を惜しむ声が多くあがり、ほかの二自治体と
足並みが乱れたこともあったが、平仮名表記を地名に残すことで決着したという。
この一帯が、温泉があること、二十世紀梨の産地であること、自慢の砂浜があることか
ら、新町名は「湯梨浜」となったものの、温泉地はいまだに「はわい温泉」のままとなっ
ている。