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安曇野(あづみの)
日期:2025-03-03 09:32  点击:234
安曇野(あづみの) (長野県安曇野市)
   北九州発祥の、安曇氏の名を残す北限の地
 
「安曇野」といえば、臼うす井い吉よし見みの著作『安曇野』や、白馬、美うつくしヶ原、松本などの本州の山脈地帯の代名詞でもある。ここは美しい高原のイメージのある地名だが、意外にも、その由来は北九州なのだという。
 安曇野は、もともと地元では「安曇平」と呼ばれる地域であったのだが、昭和四十年代に、臼井氏の『安曇野』の出版がきっかけとなって、全国に知れわたることになった。
 安曇野の「あづみ」とは、この土地を開拓した安曇氏からきているのだという。この安曇氏の起源は古く、『古事記』には安曇氏の祖先神はワタツミノミコトとホタカミノミコトであると書かれている。
 さらに驚くのは、もともと安曇氏の発祥の地は、はるか南の北九州だということである。博多湾の志し賀かの島しまには、現在も安曇氏が海神を祀った志し賀か海うみ神社があり、社の神職はいまも安曇氏が受け継いでいるという。
 安曇氏は、優れた航海術や稲作技術をもっており、古代の海人族のなかでも、もっとも有力な氏族だった。そのため、連むらじという身分を朝廷から受け、航海術を活かして、中国や朝鮮などにも広がっていたと考えられている。
 このことから、安曇氏がさまざまな場所に拡散していって、同じ北九州の福岡はもちろん、大阪や愛知、岐阜などの各地に、「あづみ」「あつみ」にちなんだ地名が残っているようだ。
 そして、その北限が、この安曇野というわけだ。

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