22 いづれをか花とはわかむ古里の春日かすがの原にまだ消えぬ雪\凡河内躬恒
【通釈】
22 どれを白梅の花、どれを雪と見分けようか。古都の春日野の原にまだ消えずに残っている雪よ。○一?二句 「雪降れば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅と分きて折らまし」(古今?冬?紀友則)と同想。表現上は「いづれをか花とはわかむ長月の有明の月にまがふ白菊」(貫之集)と類似。○古里の春日の原 古都奈良の京の春日野の原。「古」に「雪」の縁語「降る」を響かせ、「春日」に「春の日」を暗示する。▽躬恒集によれば屛風歌。同集には「いづれをか分きて折らまし梅の花枝もたわわに降れる白雪」という類想歌もある。