くうかい【空海】
平安初期の僧。真言宗の開祖。俗姓佐伯氏。幼名真魚(まお)。諡号(しごう)弘法大師。讚岐の人。延暦二三年入唐して長安青竜寺の恵果(けいか)に真言密教を学ぶ。大同元年帰国、高野山に金剛峯寺を建立。弘仁一四年には東寺を与えられ、これを国家鎮護の祈祷道場とした。綜芸(しゅげい)種智院を設立して子弟を教育。承和二年真言宗年分度者三人の設置が勅許された。書にすぐれ、三筆の一人といわれる。死後、大僧正、法印大和尚位を贈られた。著に「三教指帰」「文鏡秘府論」「文筆眼心抄」「篆隷万象名義」「性霊集」「十住心論」「秘蔵宝鑰」「即身成仏義」、書簡「風信帖」など。(七七四~八三五)