【枯山水】
(かれさんすい)
庭園用語。この訓詁{くんこ}にはほかに五通りあり、〔1〕かれせんすい、〔2〕こざんすい、〔3〕ふるせんすい、〔4〕かれせんずい、〔5〕こせんずい、ともいうが、一般には「かれさんすい」がもっとも多く用いられている。水を用いないで、水のある表現の庭園をいい、わが国では飛鳥{あすか}?奈良時代のころから作庭されてきた。現在ではこの種の庭園を次の二つに大別する。(1)前期式枯山水 広い庭園の一部を枯山水にしたもので、南北朝時代までに多い。(2)後期式枯山水 全庭すべてを枯山水にしたもので、室町時代以降に現れる。平安期の『作庭記』では、「池もなくやり水もなき」所に「石をたつること」を枯山水といったが、この意匠が頂点を迎えるのが室町時代である。室町初期のころは抽象意匠が多く、中期から後期にかけては絵画的で具象的な枯山水が多く作庭された。また江戸初期の枯山水は、塀などの片側に寄せた、具象的な意匠が多い。