肉と汁
広笑府
大のけちん坊で、しかもすぐ怒りすぐ喜ぶ男、あるとき、ほんのわずか肉を買ってきて女房に吸い物をこしらえさせた。
碗に脂(あぶら)が浮いているだけなのを見て、かっとなり、
「おれとおまえは前世からの仇(かたき)同士だ! さっさと出て行け!」
とどなりつけた。ところが箸で碗をかきまわすと肉が少し見えたので、忽ちにこにこして女房の肩を撫でながら、
「おれとおまえは五百年も前から定められていた夫婦だよ」
といって、うまそうに汁をすすった。






