塩加減
笑林
ある男、吸い物をつくり、杓子(しやくし)ですくって嘗(な)めてみたところ、塩味が足りなかったので、杓子を右手で持ったまま左手で塩を足してから、また杓子を嘗めてみて、
「やっぱり塩が足りない」
といい、また左手で塩を足した。こうして何度も塩を足し、およそ一升ほど塩を入れたが、杓子はいっこうに塩辛くならない。男はしきりに首をかしげて、
「おかしなこともあるものだ」
とつぶやいた。






